ここが「長老」の出番だ」!

 事の発端は衆院予算委員会だった。立憲を代表して岡田氏が我が国の防衛について当局の見解を質した。話は台湾有事に入り、国の「存立危機」について話が及んだ。岡田氏は民主政権時に副総裁、外相までつとめ上げた人。我が国の防衛の手の内までを上げつらうべきものではないハズなのに、対中国となれば話は別の様だ。
 岡田克也氏といえば、言わずと知れたイオン創業家の一員で実兄が代表取締役会長。国内はじめ諸外国に展開する「イオン」。中国では比較的開発の遅れた内陸部の、湖北省や湖南省に21店の「イオンモール」の出店をくり返し、中国イオンは優等生的存在。進出企業は北京政府の支持がなければ「存立危機」に陥る。家業の利益は国家の方針と密接に通じる。企業の利益と国益を天秤にかけたワケではないだろうが利害得失は即国家の方針とつながるのも事実。岡田氏が日本政府の基本方針の答弁を誘発して、「在立危機」の詳細をつまびらかにし、在大阪中国総領事の激怒と連動して、中国外務省の憤慨を誘発。
 15日の北京政府は、国民に対し当分の間、日本訪問を控える旨通達を出した。この次は恐らく日本製品の不買運動、日本人への様々なハラスメント、日本商店等の破壊行為やプロパガンダ攻撃。台湾への圧力、反政府活動の支援。戦争以前のメニューは豊富にして「クライマックス」を迎える準備は常にある。
 ここで平均睡眠時間2~3時間の高市早苗首相に告げる。必要なのは熟睡、2~3日じっくり寝ることだ。
 古き中国の教えにある。六国(りっこく)従親(しょうしん)してもって秦(しん)を退(しり)ぞくるに若(し)くはなし。六つの弱小国が従い合って大国秦に対抗することは、服属するよりは意義がある。たとえ小さな力でも衆を頼み、たがいに尊重しあい、力を合わせれば、強固な力もこれにはかなわない。勝利よりも謙虚誠実に共通の利益を求める姿勢を貫くことだ。日本は中国の覇権主義に同意しない東南アジア、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカの国々と共通の価値観を発出して、互いに従いあう気概で新たな友好関係を構築する時代を迎えた。
 高市政権の今は、国防に対する基本姿勢であって次々と出てくる国防施策案は戦後80年の日本でほとんど論じられる事のなかった過去の「ツケ」だ。ツケ払いのため不眠不休する必要はない。野党もつまらん些細な論議で時間をモテ遊ぶな。本題に近づくにつれアレルギー反応が出て来た。
 高市氏の議会答弁は分かり易くパンチの利いたものが多い。時折りユーモアも混ざった関西のオバちゃんのノリもある。政治を分かり易く、自民党再生の意欲もある。残念なのは歴代首相はじめ党の長老がほとんど沈黙を維持し続けているのには「情けない」。ここで保守自民の「特質」を見せて欲しいものだ。  (陽)