湯の里「マルシェ」にぎわう

にぎわった「おおいた老舗マルシェ」
対談する飯倉氏(左)と久家氏

 創業300年を迎えた別府市明礬温泉の「みょうばん湯の里」(飯倉里美社長)は11月29日、県内で100年以上の歴史を持つ企業を集めた「おおいた老舗マルシェ」を同所で開催した。天気に恵まれ、大勢の市民や観光客でにぎわった。
 マルシェには、みょうばん湯の里のほか、ひょうたん温泉(別府市)、久家本店(臼杵市)、安永醸造(国東市)、八鹿酒造(九重町)、フンドーキン(臼杵市)など11社が出店し、自社の製品を紹介・販売した。キッチンカーも出て、カレー、だんご汁、とり天、温泉蒸したまごと美味しそうな匂いを漂わせた。
 「おおいた老舗当主対談」も行われ、みょうばん湯の里16代目当主の飯倉氏、久家本店16代目当主の久家里三氏、安永醸造5代目当主の西百恵氏が対談した。
 飯倉氏は「100年前には300棟あった湯の花小屋も現在は15棟にまで減少、維持する難しさがある」としつつも「二つの大戦やバブル崩壊、リーマンショック、大震災、コロナ禍を経験して乗り越えた」と話した。
 久家氏は「米国の経営者から株を売ってしまえば楽に暮らせると言われたが、次につなげる責任、継承してゆく責任がある」と165年続いている家業を今後も継承してゆく姿勢を示した。
 西氏は「父が亡くなって跡を継いだ。主婦であり女社長。家庭のことから会社まで、一人で何役もやらなくてはならない。国東も人手不足が深刻」と語った。