「認知症」をバーチャル体験

VRのゴーグルを付けて
当事者の視点から体験

 別府市社会福祉協議会は、VR認知症体験会を18日午後2時、市社会福祉会館で行った。チームオレンジ別府のメンバーや地域住民ら約30人が参加した。
 「VR」は仮想現実という意味で、ゴーグルをつけて、仮想空間を実際の空間のように体験するもの。認知症の症状を本人の視点で見て、何を感じるかを体験する。講師は、株式会社シルバーウッドVR事業部の大野彩子さんがオンラインで行った。
 電車の中で突然、降りる駅を思い出せず不安になった人が、駅員に尋ねるもうまく伝わらず、困っているところに女性が声をかけてくれる、というストーリー。「見当識障がいといって、認知症によるある症状。何度も場所を聞いたり、うろうろしていたりする。認知症でなくても、久しぶりの場所や乗り物に乗ったりすると感じることがあると思う」とし、30代の若年性認知症の男性の体験談を紹介。定期入れに自身が若年性認知症であること、会社へ行きたいことなどを書いて入れておき、見せると回りも親切に教えてくれるようになったという。
 また、認知症のおじいちゃんの視点に立って、家族の対応による心の変化も体験。ちょっとした言葉の使い方で気持ちが変わることを学んだ。体験後、グループワークを行い、お互いに思ったことを話し合った。