「新嘗祭」へ内成棚田献穀斎田

献穀斎田で雨の中抜穂式が行われた
献穀主の園田さんから稲穂が
八幡朝見神社の神官に手渡された

 令和8年度献穀事業の献穀斎田抜穂(ぬきほ)式が27日午前10時、内成の棚田で行われた。
 献穀事業は、米生産地としてのPRや稲作文化の継承、地元住民との交流促進など、地域活性化を目的に、明治25年から行われている。宮中行事の新嘗祭(にいなめさい)に、日本全国から新米を献上する行事。各県が市町村の中から1カ所を指定するもので、別府市が選ばれたのは初めて。6月に御田植式を行い、内成活性化協議会を中心に、育ててきた。
 八幡朝見神社の神大和男宮司はじめ神官らが祭事を執り行った。長野市長と伝統的な衣装を着た市内の農業関係者の女性(刈女)10人が、たわわに実った献上米の「なつほのか」をカマを使って収穫し、束ねた稲穂2束を神饌机に置いた。
 長野恭紘別府市長が「地域の皆さんのご尽力とご協力で、御田植式から4カ月、収穫となりました。献穀米ということで、気を使いながら管理をしていただいたと思います。棚田を守りたいという願いは、すべての人が同じだと思いますが、状況は厳しいものがあります。どう皆さんと共に守っていくか。棚田文化を残すため、一致団結していきたい」。
 田長(たおさ)である、梶原聡博内成活性化協議会長は「ここに至るまで、多くの人の協力をいただきました。新嘗祭は伝統的行事。自然の恵みに感謝するという先人たちの思いをかみしめ、次の世代に特に中山間地域の思いを伝えたい。収穫した中から1升を献上します。最後まで気持ちを引き締めてやっていきたい」とそれぞれあいさつ。
 来賓の小野正明市議会議長、遠山実大分県東部振興局長、久保賢一別府市農業委員会委員長が祝辞を述べた。
 最後に田んぼを提供した献穀主の園田政義さんが「今年は御田植後、まったく雨が降らず、一番大事な時期に水路の水も激減しました。本当は自分の田んぼに水が欲しい中、先輩から大分県の代表なんだから斎田だけは水をと言ってもらい、ようやく稲が実りました。内成区民と農業関係者の協力と熱意があったことを記憶にとどめてほしい。私たちの誇りと財産。最後まで責務をまっとうします」と謝辞を述べた。
 収穫したお米は大分県に提出し、新嘗祭には献穀者が招かれる。