立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生と教職員有志でつくる「APUハンズ」は17日午後1時、京町のAPUプラザで新型コロナウイルス感染症の影響で困っている学生への食糧物支援の第2回を行った。
「APUハンズ」は、新型コロナの影響で母国や国内の地元に帰ることができない、アルバイト先が休業して収入がなくなったなど生活に困っている学生が多くいることから、学生を支援しようと立ち上げた任意団体。名前には「手をさしのべる、手を携える」という意味が込められている。
学生を常時40人ぐらいアルバイトで雇っていた飲食店が、休業によりアルバイトも休んでもらわざるを得なくなった。しかし、学生が困っている現実を心配して店主がバイトの学生にまかないなどを提供していた。それを知った卒業生が、このままではいけないと学生支援に立ち上がった。
1回目は4月28日に実施し、米やパスタ、小麦粉の支援を実施。200人を募集したところ、425人の学生から応募があり、全員に配布を行った。同時に、校友会から送られてきたマスクも配った。
2回目は391人から申し込みがあり、米、カレー粉、カップ麺、マスク、うどん、しょうゆなど寄付されたものや地元で購入したものを準備した。また、昨年10月に行われたラグビーワールドカップ日本大会で「別府おもてなし村」をしたメンバーも「大会では学生にお世話になった。何か出来ることはないか」と今回の配布に地元で野菜を購入して配った。「野菜なら、食べられる人が多いし、地元で購入することで、地元の活性化にも役立つ」として準備。学生に大好評だった。
出口にはメッセージを書き込むボードが設置され、食料品を受け取った学生たちは母国語で感謝の気持ちを書いていた。インドネシア出身のケル・ビンタンさん(22)は「当初4人でシェアするはずが、2人が来日出来ず、2人で家賃を払うのはとてもキツイ。アルバイトも2つしていたが、全部なくなった。今は貯金を切り崩して生活をしているが、経済的に不安。(食料品を提供してもらえるのは)とてもありがたいし、うれしい」と話した。
今回、申請をした人にアンケートをとったところ、「今困っていること」の1番はやはり「アルバイト収入の減少」。母国も同じように新型コロナで大変で両親の収入が減るなどで仕送りをしてもらうのも難しいと話す学生もいた。預貯金を含む所持金では「1~3万円」と答えた学生が26・1%にものぼり、経済面で苦労をしていることが分かる。
APUハンズのメンバーで1期生の江原まゆみさん(38)は「困っている学生みんなに支援をしたいと始めましたが、宗教や文化の問題で支援を受けず困っている学生もいる。そういった学生をどう支援できるかが、これからの課題」とした。