別府市医師会がPCRセンター開設

車に乗ったままPCR検査の検体を採取するデモストレーションを公開

 別府市医師会(矢田公裕会長)は、新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査を効率的に行うため、25日から6月30日まで、鶴見の大分県別府総合庁舎敷地内に「PCRセンター」を開設した。病院からの連絡を受けた医師会が予約制で検査を行う。
 全国で「緊急事態宣言」が解除され、徐々に規制も緩和されてきた。感染に注意をしながらも「日常」が戻ってくることになる。現在、都道府県を越えた不要不急の移動の自粛を求めているが、緩和が進むと人の往来が増え、第2波、第3波の感染拡大が懸念される。そんな中、大分県では1カ月以上、新規の感染者は確認されておらず、別府市内でも3人の感染を4月に確認して以来、感染者は出ていない。
 県内では、大分市保健所と県衛生環境研究センターがPCR検査を行っており、1日に検査を行えるのは全体で204検体。今回、市医師会では検査の効率化と医療機関の負担軽減のため、センターを開設することにした。
 検査までの流れは、まず、▽発熱患者は電話かインターネットで受診を予約し、かかりつけ医療機関でオンライン診療を受ける▽医師は必要に応じて薬局に処方箋をファクスし、薬は郵送・宅配便で届けられる▽診療の際に、医師が検査が必要と感じた場合、病院が医師会にPCR検査の予約を入れ、患者に伝える▽患者は、指定された日時に検査会場に車で行き、ドライブスルー方式で検体を採取して調査してもらうー。検査を行うのは、月曜日から金曜日の午後で、医師、看護師らが交代で検体採取に当たる。検体は県衛生環境研究センターに送られ、早ければ翌日、遅くとも3日以内には結果が分かるという。検査は完全予約制で、必ず市内の医療機関を受診して、病院が予約をする仕組み。突然、センターに来ても検査は受けられない。
 この日は初日ということで予約は入っておらず、矢田会長が一連の流れをデモストレーションとしてマスコミに公開した。車が入ると、プラカードで流れを説明。窓を半分開けてもらい、綿棒で検体を採取した。
 矢田会長は「診療所の中にも、新型コロナの疑いのある患者の診療が怖いと不安に思っている先生もいると思うので、オンライン診療でなるべく接触することなく陽性の疑いの患者を探すことが出来るようにした。また、機関病院での検体採取の負担軽減にもつながると思う。検査をすることがないのが一番だが、別府は観光地なので緊急事態宣言が解除され、人が来るということは、新型コロナも入ってくる可能性はある。もしもに備えていきたい」と話した。

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