別府市も立地適正化計画策定へ

マスタープランの見直しに伴い、住民説明会が行われた

 大分県と別府市は、都市計画区域マスタープラン及び立地適正化計画に関する住民説明会を8月26日午後7時、別府市公会堂で開いた。
 都市計画区域マスタープランは、長期的な都市の将来を明確にするため、都市計画区域における整備、開発及び保全の方針を県が定めるもの。プランは20年後を見据えてくれられているが、随時見直しが行われており、今回は10年ぶりの見直しとなる。
 20年前は都市像を「拡散型」として、商業地などが郊外に拡散され、開発が進んだ。しかし、10年前には、拡散型が失敗だったとして「集約型」に変更。都市の中心部に都市機能を集積させた。今回の見直しでは「コンパクト・プラス・ネットワーク型」として、郊外に広がった部分と都市部に集約した部分を公共交通などのネットワークで強化し、郊外でも一定程度の生活利便施設を確保し、交通結節点を拠点とした都市づくりの進展を目指す、としている。
 将来都市づくりのテーマを「地域の豊かな個性を繋ぎ自然と都市の幸が湧き出る、おんせん県おおいたの都市づくり」として、▽都市機能の集約と連携による持続可能な都市づくり▽地域の魅力が向上し、人や仕事であふれる都市づくり▽安全で安心して暮らせる都市づくり▽歴史、文化資源の保全と美しい景観形成を図り、自然環境と共生する魅力ある都市づくり▽私たちの地域は私たちがつくる地域主体の都市づくり、を基本方向に掲げている。
 立地適正化計画は、市町村が策定するもので、都市全体の観点から居住や福祉、医療、商業などの都市機能の立地や公共交通の充実などに関して定める包括的なマスタープラン。
 別府市では「世界の『国際観光温泉文化都市』として育まれた特色ある拠点と、まとまりのある都市構造を守り育てながら、さらなる都市の持続性を高める」ことを都市空間づくりの目標としている。もともとコンパクトシティの別府市としては、JR別府駅周辺の「中心拠点」、別府公園周辺の「文化拠点」、住宅地の「生活拠点」、温泉を中心とした「観光拠点」に分けて、各拠点をネットワークでつなぎながら、特色のある拠点を形成する方針。
 課題としては、都市の低密度化に伴う生活サービス機能・地域コミュニティの維持や都市活動を支える観光産業の維持・発展、市民生活と観光需要に対応する公共交通などによる都市ネットワークの維持・形成、災害への懸念の増大に伴う都市構造の改善がある。居住誘導区域を設定し、区域外で一定の条件の開発行為や建築行為などは市長への届け出を義務づける。
 参加者からは「別府はもともとコンパクトシティ。計画でどうしたいのかよく分からない」などの意見が出た。今後は、10月からパブリックコメントを募集し、計画案を修正。来年1月頃に都市計画審議会を開いて審議をして計画を策定することにしている。

コメントを残す