学校法人溝部学園(溝部仁理事長)は総合防災訓練を11月19日午前10時40分、学園全体で行い、園児・生徒・学生・教職員・野田地区住民など約1500人が参加した。
マグニチュード8の「南海トラフ巨大地震」が発生し、別府市内全域に震度6強の揺れを観測。85分後に高さ10㍍の津波が押し寄せる―と想定。
「南海トラフ巨大地震」発生の館内放送が午前10時42分、流れて非常ベルが鳴った。ひめやま幼稚園では、園児が机の下に素早く移動し「ダンゴムシのポーズ」をとり、落下物から頭を守った。
揺れがおさまったとして、園児はヘルメットや防災頭巾をかぶって第1避難場所の運動場に移動した。高校生、短大生、歯科学生、教職員、事務職員、野田地区の近隣住民も運動場に集まった。第1次避難場所で全員の点呼を行い、逃げ遅れによる不在者がいないかやけが人の確認を行った。
溝部理事長が「この訓練はとても大事なもので、東日本大震災のとき、一度も訓練をしていなかった小学校は多くの犠牲がありました。こういう訓練は、平和なときにこそ一生懸命する必要があります。訓練を見ていましたが、私語なく静かに集まったことなど皆さんの努力に敬意を表します。訓練は平時にしっかりしておきましょう」。
別府市消防署亀川出張所員6人を代表して、第1中隊救急救命士の北村俊人さんは「災害が発生してから集合し点呼まで10分以内だったことを見ると、非常に素晴らしい避難ができていたと思います。訓練だから落ち着いてしゃべらずに避難しましたが、実災害になると、揺れも大きく津波が来るかもしれないという緊張化の中だと慌てると思います。実災害のときも、今回のように落ち着いた行動を心がけて下さい」とそれぞれ講評した。
続いて、情報係が携帯ラジオで「津波発生」の情報をキャッチしたとして、避難者全員を第2次避難場所の校舎内に避難するため、避難経路などを確認するため、トランシーバーを持った3人を含む教職員6人が先遣隊として状況調査などに向かった。先遣隊から「安全」との連絡が入ったことで、第2避難行動を開始した。短大生は短大本館、歯科学生は歯科3号館、高校生と幼稚園児は教室棟・総合実習棟・看護棟、事務職員と野田地区住民は35周年記念館にそれぞれ避難して、訓練を終了した。