別府市消防本部は9日午前9時、市内の臨床研修医1人、看護師2人を「一日救急隊長」に委嘱し、救急現場を体験してもらった。今回で30回目。
救急医療及び救急業務に対する市民の理解を深め、救急医療関係者の意識の向上を図ることが目的。
3人に委嘱状を手渡した本田敏彦消防長は「救急業務の重要性は増し、市民の救急隊に対する信頼はますます高くなっている。また、救急業務の高度化に伴い医療機関との連携も、さらに充実していかなければなりません。短い時間ですが、救急隊員とともに業務を体験していただき、医療機関と消防相互の連帯感を深めましょう」とあいさつ。
新別府病院の谷昴臨床研修医(27)は本署救急隊、黒木記念病院の資延夕佳看護師(37)は朝日救急隊、内田病院の佐藤友香理看護師(30)は浜町救急隊にそれぞれ配属された。
通信指令室の説明を受けた3人は、本署駐車場で救急車の装備や資器材などの説明を受けた。
新別府病院の谷さんは「病院に搬送するまでの対応などを、学びたい。搬送する側からの見え方は、良い経験になると思います」。
黒木記念病院の資延さんは「救急隊は一番最初に患者と出会うところなので、どれくらいの早さで対応や連携をしているか見てみたい」。
内田病院の佐藤さんは「病院に来るまでの流れを学びたい。病院には早く来た方が安心するので、救急隊のてきぱきとした対応を学びたい」とそれぞれ話した。
その後、各救急隊と一緒に勤務し、救急出動時は救急車に同乗して隊員の現場活動を体験した。
一日救急隊長が終わると、市消防本部に戻り、意見交換会として業務の感想や救急行政について意見を交わした。