別府市議会の令和元年第3回定例会の一般質問2日目を17日午後1時から再開した。
荒金卓雄氏(公明党)、平野文活氏(日本共産党議員団)、美馬恭子氏(同)、松川章三氏(自民党議員団)が、市長の政治姿勢や福祉、図書館等整備計画、観光行政など幅広い分野で質問を行った。
文化ゾーン一体整備を
荒金卓雄氏(公明党)
荒金氏は、別府公園文化ゾーンのあり方について「新図書館等の整備の基本計画にいよいよ取りかかろうとしている。文化ゾーン全域の整備を意識してやってもらいたい」と要望。
「周辺には、ビーコンプラザ、しいきアルゲリッチハウス、美術館、別府公園がある。友好都市の鷹の像や記念植樹などもある。集約するなど国際性をPRする場にもなると思う。一体的、連続的な整備を行うため、いち早く協議の場を設けることが大切」と質問。
森本悦子社会教育課参事は「関係機関・団体、課と速やかに協議をして、利用者目線に立った整備を検討していきたい」と答えた。
また、ビーコンの垂れ幕についても「広告発信を共有し合うことは出来ないか。思い切って電子掲示板を設置して、周辺のイベントなどを流したり、別府市としての発信も可能だと思う」と提案した。
高齢者施設入所者との行政の接点について「市報が届かず、行政情報から遠ざかっていることもあるのではないか。選挙の投票入場券もしかり。しっかり届くようにしてほしい」と質問。
竹元徹・秘書広報課長は「自治会に協力して配布してもらうことで配送経費を抑えていることや地域コミュニティづくり、自治会組織の強化、加入促進にもつながると思う。施設から相談があれば、必要部数を用意したい」と答えた。
他にも、消費税率10%への準備や対応についても質問をした。
新図書館のあり方は
平野文活氏(日本共産党議員団)
平野氏は、新図書館構想について「本来機能の充実が必要。文科省の望ましい指針では、利用者に対応したサービス、宅配サービスの実施が記されている。分館と同時に、宅配サービスも必要だと思うが」と質問。
森本悦子社会教育課参事は「すべて完璧に整っていることが良いとは思うが、市民とともに育んでいくことを大切にしたい」と述べた。
平野氏は蔵書についても「蔵書数だけを誇る図書館は不要としているが、教育委員会としては、不適切な言葉だと思う。蔵書の数『だけ』を誇ることは不要だと思うが、十分な量を確保すること抜きでは、本来の趣旨から外れているのではないか」と批判した。
入札についても質問。1社入札について、「長野市政になって増えていると思う。旧美術館解体、亀川住宅の建て替え、旧南小跡地複合施設、鉄輪地獄地帯公園整備事業も1社。数億円、数十億円という公共事業が出た時には、民間業者にとっては儲かる、取りたいと思うものだと思う。それを1社しか応募しないというのはどういうことなのか、理解できない」として、高落札率についても「事前調整なしに神業のような入札はできないのではと思う」と疑問を呈した。
情報公開についても「市民オンブズマンによるランキングは低い。黒塗りの資料が多いことは私も実感している。これからも公開度を問題にしていきたい」とした。
給食センター化「早急」
美馬恭子氏(日本共産党議員団)
美馬氏は、学校給食について「あまりにも早急すぎたのではないか」と指摘した上で「市民にとって大きな財産であり、税金を使う上で、もう少し時間を持って話し合っていくべきだったのではないか」と批判。
「学校ごとに話を聞くことが大切だったのではないか。もっと早い段階で検討する機会があったのではないか。納得できる議論を最後まで続けてもらいたい」と要望し、「これから子育てをする若い世代にも意見を聞くべき」とした。
稲尾隆・教育参事は「説明会では、年内の早い時期に判断しなければいけないと説明をした。社会的要請もあり、安全安心を一番に考えた場合、教育委員会として大きな決断をした。食の大切さ、作り手への感謝の気持ちを育むようなものを作っていきたい」とした。
子どもの医療費助成について、来年10月から所得制限を設けながらも、子どもの医療費の助成範囲が拡大されることを受けて、「無料だからと簡単に受診する『コンビニ受診』が増えるのではという話があるが、決してそうではないと思う。ちょっとした変化で受診することで、早期発見につながることもあると思う。助成範囲の拡大を進めてほしい」と質問。
月輪利生福祉保健部次長兼子育て支援課長が「県や国に制度の拡大をこれからも求めていきたい」と答えた。
他にも、障がい者の自立支援、医療・介護施設での働き方についても質問をした。
地獄蒸し工房地域貢献は
松川章三氏(自民党議員団)
松川氏は、地獄蒸し工房鉄輪の指定管理について現状と地域貢献策について質問。
日置伸夫観光課長が「利用者は、平成30年度は過去最高の11万7千人。利益は1348万円。1年目は、待ち時間を利用した観光ガイドで周辺に賑わいをもたらすとして、ガイド団体に加盟はしているが、ガイドの手配などが難しく、実現していない。市としては、手配が難しいなら、養成を要望しているが、回答がない。3年目に情報発信力を備えた湯の駅鉄輪を作るとしているが、常に新しい情報提供が出来るように準備をしていると聞いている」と説明。
松川氏は「1年目からつまづいていたのでは、今後も履行できるのか分からない。別府観光のためにも、誠意をもって履行するように強く求めてほしい」と要望。日置課長も「継続して履行を求めていきたい」とした。
また、国道500号の整備に事業について「県の事業なので、市がどうこうできないが、地域住民にとっては重要な道路で、多くの市道とも交差している」として「一部、通学路にもなっており、せっかく拡張するのなら、ガードレールを設置するなど安全対策をしっかりするように要望してもらいたい」とした。
安部英樹都市整備課長は「市長を会長とする別府・耶馬渓・行橋ルート国道整備期成会で書面で県に要望をしているが、国への要望などもしていきたい」と答えた。野生鳥獣による農業被害についても質問をした。