別府市は、鉄輪泉源の温泉を利用した「おんせん充電ステーション」の実証実験を19日午前11時から、地獄蒸し工房鉄輪でスタートさせた。来年2月1日までを予定している。
充電ステーションは、鉄輪泉源の約100度の温泉を管に通し、外気との寒暖差で発電するもの。2種類の異なった半導体を使用して、高温の温泉水で熱電変換素子の片方を温め、もう1法は外気で冷やす。蓄電池に貯めて使用する。夏場であれば、スマートフォンを12台ほどフル充電でき、冬場はもう少し多くの発電が出来る見込み。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催で、会場の1つとなっている大分県にも多くの観戦客らが訪れ、観光を楽しむことが予想されることから、温泉が持つ多目的利用の可能性を探るもの。
長野恭紘別府市長が「小さな規模だが、大きな1歩を踏み出した。地熱を利用して、地元の電気を地元で作りだしていく壮大な思いがある。別府温泉は、入って楽しい、食べてヘルシー、エネルギーにも配慮した世界一エコな温泉街だと思ってもらえると期待している」とあいさつ。
システムを開発している、横河電機株式会社(東京都)の新井崇・事業開発センタービジネス開発課エキスパートマネージャーが、仕組みなどについて説明。発電を開始すると、さっそくスマホを充電したり、扇風機を動かした。