別府市は令和元年に全国の市町村に先駆けて「BEPPU×デジタルファースト宣言」を行い、ペーパーレス会議の推進などをしてきた。昨年から、新型コロナウイルスの影響でデジタル化が加速し、環境が大きく変化していることから、スピード感と確実性を備えた行政サービスを進めるため、推進計画を策定した。
これまでも、定例的な業務を自動化するRPAや別府市LINE公式アカウントによるサービスの提供などを通じて、職員の事務負担の軽減、市民サービスの向上に取り組んできた。
推進計画では、市民サービス、行政運営、観光戦略の3つのデジタルファースト戦略のこれまでの取り組みをアップデートしたもの。「市民のためのデジタルファースト~ポケットの中にもう1つの市役所を~」を目標とし、将来的には、スマートフォンを利用して、24時間365日どこからでも行政サービスが利用できることを目指す。
実施プランとしては▽いかなくていい市役所=マイナンバーカードの普及促進、電子申請サービスの促進、押印廃止の推進(現在88%)、行政手続き案内の推進、デジタル総合窓口の推進
▽またなくていい市役所=窓口の混雑状況の案内の促進、キャッシュレスの推進、窓口の予約の推進
▽情報が直接とどく市役所=ライン公式アカウントの利用者拡大、希望する情報を直接届けるセグメント配信の拡大、道路等の不具合箇所等の通報の拡大
▽行政運営の改革=自治体の情報システムの標準化・共通化への対応、オープンデータの推進、テレワークなど多様な働き方の推進、デジタル人材育成、セキュリティ対策の推進など。
一方で、新型コロナワクチンの予約において、多くの人が対面式のサポートセンターを訪れるなど、デジタルがすべてではないことが明確となっており、得意な人と不得意な人がいることを念頭に、状況に応じて最適な方法で行政サービスを提供することも同時に実現していく。