別府市と別府市旅館ホテル組合連合会(西田陽一会長)、九州大学都市研究センター(馬奈木駿介センター長)が協働で進めている「免疫力日本一宣言」に向けた、宿泊モニター受入れ入校式が12日午後2時、市役所で行われた。
3者は、温泉の効果を科学的に実証して「免疫力日本一宣言」を目指そうと包括連携協定を今年4月に結んでおり、宣言実現に向けたプロジェクトがスタートする。
馬奈木センター長が研究をしている、腸内細菌のゲノム解析を活用して、温泉を利用する前と後の腸内細菌の状況で、温泉が病気等にどう影響するのかを数値化するもの。6泊7日で、毎日同じ温泉に入る。初日と最終日に採血と採便を行う。便から腸内細菌のDNAを抽出し、遺伝子配列を最新の次世代シーケンサーを用いてデータ化する。分析結果から被験者の疾病リスク等を知ることが出来るという。
入校式には13人が参加。馬奈木センター長らが事業内容を説明。西田市旅館ホテル組合連合会長が「コロナ禍で観光業界は厳しい状況が続いています。アフターコロナの取組が大事になると思う。最先端の技術で学術的に温泉の効果が数値化されることで、長期療養型なども目指していきたい」とあいさつ。
長野恭紘別府市長は「別府市内には7つの泉質があり、温泉はこれまで体に良いと言われてきたが、具体的に数値化することに大きな期待をしている。多くの人の力を借りて行う、画期的な取り組み。ゆっくりと過ごして、美味しいものを食べてほしい」と述べた。
大分市から参加した自営業の小原美穂さん(59)は「温泉は好きだけど、なかなか入りに来ることもできなかった。温泉にどのような効果があるのか、興味がある」と話した。
モニターは200人を目標としており、市内9つの旅館ホテルが協力を行う。