別府市消防本部は12日、今年上半期(1月から6月)の火災、救急活動の概要をまとめた。
火災件数は19件(対前年同期比4件増)で、うち建物火災8件、林野火災4件、その他7件。建物火災のうち焼損棟数は全焼1棟、半焼1棟、部分焼3棟、ボヤ8棟。火災19件の月別では1月5件、2月5件、3月4件、4月5件、5、6月ゼロ。火災による死者は1人、負傷者は2人で軽症。
井元隆文警防課長は「昨年と比べ、特に変化したものとして林野火災が増えました。林野火災は一旦、火の手が上がると乾燥や強風の条件が重なると消火活動は難航し、住宅などに被害が拡大する場合もあります。林野火災だけでなく住宅でも、火の取り扱いには十分に気をつけて下さい」と話した。
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救急出動件数は3106件で、前年同期と比べて35件増加している。
内訳は、急病2061件、一般負傷509件、転院搬送286件、交通事故162件、その他45件、運動競技34件、加害9件となっている。また傷病別では、入院加療を必要としない軽症1136人、中等症1281人、重症315人、死亡55人の計2787人を搬送している。本人が拒否するなどの不搬送は325人。
月別では、1月543件、2月497件、3月498件、4月522件、5月530件、6月516件。
井元警防課長は「昨年と比べ熱中症での搬送が増えており、そのほとんどが高齢者。発生は、屋外だけではなく、クーラーを使わず我慢して風通しも悪く高温となった室内で倒れていたケースもありました。暑さに気づきにくい、のどが渇いてから水分補給をしているなどの背景もその要因とも言われ、夏にかけて気温が上がることに体が順応していない時期に発生が多くなっています。また、熱中症予防の観点から、野外の運動時には適切にマスクを外す配慮も必要です」と話した。
また救急車の適正利用について「本当に救急車を必要とする事故や急病が発生した際、遠くの消防署や出張所から出動することになり、現場到着までに時間がかかり『救える命』が救えなくなる、または後遺症が重くなることも考えられますので、今一度、本当に救急車が必要かを考え、適正な利用の協力をお願いします。しかし、症状が軽く見えた人が重症のときもあるので、判断がつかないときは消防に連絡して下さい」と話している。