2年連続で重点支援DMOに選定

2年連続で「重点支援DMO」に選定され、アフターコロナに向け取り組む

 大分県北部の別府市、中津市、宇佐市、豊後高田市、国東市、杵築市、日出町、姫島村の8市町村で構成する一般社団法人豊の国千年ロマン観光圏(会長・松川幸路別府市観光・産業部長)が昨年に続いて、国土交通省観光庁の「重点支援DMO」に選定された。全国で37法人で大分県内では唯一の選定。
 DMOは、地域の多様な関係者を巻き込みながら、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりを行う司令塔となる法人。DMOを中心に、商工業、農林漁業、国立公園、宿泊施設、飲食店、地域住民、文化財、アクティビティ、交通事業者、地方公共団体といった地域の関係者が主体的に参画した体制を構築。ターゲティング等の戦略策定や観光コンテンツの造成、受入環境の整備などを進めることで、誘客や旅行消費の拡大を図る。
 「重点支援DMO」は、令和2年度に創設され、外国人観光客の誘客を含む、観光地域振興に積極的に取り組む先駆的で意欲とポテンシャルのあるDMOを支援する制度。令和3年度からは、「総合支援型(19法人)」「特定テーマ型(7法人)」「継続支援型(11法人)」に分けて、よりきめ細やかな支援を行う。
 豊の国千年ロマン観光圏は、第1期の平成28年度にDMO登録。別府温泉をはじめ、国東の神仏習合文化、世界農業遺産など幅広い魅力が各市町村にあり、これまでも、地元地域と協力してガイドネットワークを構築したり、コーディネーターとして地域をつなぐ取り組みを行ってきた。
 重点支援では、総合支援型に選定された。欧米系の富裕層向けに滞在交流型のコンテンツ造成やコア人材の育成などのアドベンチャーツーリズムと食をテーマにしたコンテンツの造成の推進を行う。これまで歴史や文化について取り組んできたが、食文化のコンテンツが課題だった。昨年、農林水産大臣が認定する日本食・食文化による外国人観光客誘致のための「SAVOR JAPAN(農泊食文化海外発信地域)」にも国東地域が選定されおり、アジアや台湾などコロナ禍の回復が早いと思われる地域をターゲットに進めることにしている。
 現在、新型コロナウイルスの影響で、海外から観光での入国規制が続いていることなどから、観光業は厳しい状況が続いている。しかし、これまで地域と共につくり、磨いてきた観光資源を活用し、アフターコロナに向けて準備を進めていくことが重要となる。
 観光圏の堤栄一郎事務局長は「これまでコツコツやってきたことが評価されたことは、ありがたい。専門家にちゃんとかかわってもらえるし、先進地視察なども行える。観光需要が回復した時に、地域に貢献できるように準備をしていきたい」と話した。