任期満了に伴う杵築市長選挙が3日、投開票が行われ、現職の永松悟氏(67)=無所属=が8183票を獲得し、新人で前市議の衞藤竜一郎氏(47)=同=に2106票差で当選した。
これまで、永松氏は2期連続で無投票当選で、3期目を目指す今回は初めての選挙で、厳しい戦いとなった。投票率は60・55%だった。
市内で行われた祝勝会には、支持者ら約80人が参加。阿部長夫県議の発声で万歳三唱。諸冨忠彦後援会長が「皆さんの多大なるご支援でこの結果となりました。ありがとうございました」とあいさつ。
来賓を代表して、尾野賢治大分県副知事が「2期8年続けてきた健康で活力ある杵築市づくりを市民が高く評価をした結果。財政運営では、市民に大変心配をかけたが、健全化の道筋が見えてきており、大分県としても支援をする。コロナ禍の難しいかじ取りが求められている。引き続き、市民と一丸となって杵築市の発展に努めてもらいたい」と祝辞。
永松氏は「私がまず一番やらなければならないのは、財政の健全化。職員の頑張りや市民のご理解とご協力で改善しており、さらに良い数字になるように頑張りたい。今後は、住民参画型のまちづくりをしたい。AIやICTなどの活用により、職員が地域に出ていける。役所で待っていては分からないことが沢山ある。住民自治協議会を中心に、“第2の市役所”づくりをしていきたい。対策型から予防型に転換する。ポイントは、小さな気づきと良い人材の発掘。権限や財源を投資し、全員参加型『チーム杵築』でより発展できるようにしていきたい」と話した。
また、記者から初めての選挙について聞かれると「充実した1週間だった。市政に対して関心や強い声を聞いた。色々な意見を聴くことが出来た。大切な時間だった」とし、新人との差が約2千票だったことについては「今までの市政への不満がこういう形になったのだと思う。意見を聴き、ていねいに説明をし、どういう道筋ならある程度納得してもらえるか試行錯誤したい。地域の人の意見を最大限尊重し、協議し、案を出すことを繰り返す中で、合意形成に力を尽くしていきたい」と述べた。
当選証書授与式は4日午後4時から、市役所で行われる。