別府市は、令和2年度の予算編成方針説明会を9月30日午前9時から、行った。部課長(参事を含む)を前に、長野恭紘別府市長は「経常収支比率は、前年度よりも改善はしたが、依然、高止まりの状況が続いており、財政の硬直化が懸念されている。社会保障関係経費も増加が見込まれ。新たな課題の発生も予想される。長期的な視点で大きな流れや情勢をしっかりと見極めた上で、感性を磨き、より質の高い次世代型の市民サービスを効果的に提供するため、引き続き、業務改革を進めてもらいたい。来年度予算においても、シーリングの設定をせざるを得ない状況があると思う。しかしながら、こういう状況においても、どうしてもやりたいという皆さんの気持ち、熱意を伝えてもらいたい。それに対しては、熱意を持って応えたい。既存の枠にとらわれない、独自性、独創性のある予算要求も待っている。取捨選択を行い、市民生活に深くかかわる課題に的確にスピード感を持って取り組む必要がある。市民が幸せを実感できる町とはどんなものかを常に考え、前例にとらわれない発想で市民サービスの向上に努めてもらいたい」と訓示。
引き続き、松川幸路企画部長が編成方針を説明した。別府市の財政状況は、平成30年度の普通会計決算をみると、市税や普通地方交付税などの経常的な一般財源が人件費、扶助費、公債費などの経常的経費にどの程度充てられているかを表す経常収支比率は97・5%と高止まりとなっている。多額の財源不足額を財政調整基金の取り崩しで賄おうとすると第4次行財政改革推進計画に掲げた基金残高50億円の財政目標の維持が困難となることが懸念される。
これらのことから、予算編成においては、既存の事務事業の実施目的を改めて確認して、▽市民目線に立った事務事業の実施▽綿密な事務事業計画に基づく施策の推進▽収支改善による持続可能な財政基盤の確立ーを基本的事項にあげる一方で、既存の枠にとらわれない独創性のある職員の熱意あふれる考えを取り入れるための「予算特別枠」を新設する。
重点事項としては、図書館等一体的整備などの3本柱の前進、第2期総合戦略に盛り込む各施策の推進、第4次行財政改革推進計画の推進を図る。