九州電力㈱大分支店(和仁寛執行役員大分支店長)と立命館アジア太平洋大学(出口治明学長、APU)はカーボンニュートラル社会の共創に資する包括連携協定を結び、締結式を26日午後1時15分、大分市の九電大分支店別館で行った。
エネルギーの共通の価値観に基づき、人的・知的資源の交流と活用を図り、産学連携のもと、相互理解を深め2050年カーボンニュートラル社会の共創を目指し、取り組みを推進する。
カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることで、日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体として実質的にゼロにすることを目指すと宣言している。
九電グループはこれまで、供給側として電源の低・脱炭素化、需要側として電化の推進を進めてきた。一方で、APUは、持続可能な社会の実現に向けた人材育成として、2023年4月に新学部「サスティナビリティ観光学部」(仮称、設置構想中)の設置を目指しており、環境意識向上の講義も行う予定にしている。
協定を結ぶことで、来年秋以降に寄付講座(奨学を目的とした民間企業や業界団体などからの寄付金を財源に、期限付きの客員教授などを招いて開設される講座で、産学連携の一環として行われる研究・教育活動)の開設や発電所等における学生の見学、実習の受け入れ、インターンシップの受け入れ。APU教員における講演会などの実施、研究成果の還元などに取り組む。
和仁九電大分支店長と李燕APU副学長が署名した。和仁支店長が「協定に基づいて、当社からのエネルギー問題の専門的な講師派遣などを行う。APUは、海外との太いパイプを持っている。次世代を担う若者に、エネルギーの問題を考え、理解してもらうことが重要だと思う。学生は世界に出ていく。知識を持って出ていくことで、活躍できると思う」。
李副学長は「APUは2000年に開学以来、学生と教員の半数が外国籍の国際的な環境にあり、95の国と地域から来日している。国、地域、国境を越えた英知の結集こそが、APUだからこそ可能な教育・研究。カーボンニュートラルの考えは、世界中に広がっており、将来のために大切なアクション。同時に、我々1人ひとりの役割も重要性を増している。九州電力はこの問題に取り組む、国内トップ企業。協定によってエネルギーがどう使われて、どんな課題があるのか実際に検証して、研究に生かせると思う」とそれぞれ話した。