高校生平和大使が国連欧州本部へ

高校生平和大使としてスイスの
国連欧州本部などを訪れる若山さん

 大分県別府鶴見丘高校2年生の若山楓さん(16)が、第22回高校生平和大使に決まり、スイスジュネーブの国連欧州本部などを訪問するため、7月30日午後2時、市役所を訪れた。大分県平和運動センターの関係者らも同席した。
 高校生平和大使は、1998年に核拡散防止条約に加盟していないインドとパキスタンが相次いで核実験を強行し、「ながさき平和大集会」(現在の高校生平和大使派遣委員会)に参加する50の平和団体が核の惨禍を知る被爆地ヒロシマ、ナガサキの声を世界に伝えるため、未来を担う若者を平和大使として国連に派遣することにしたのがはじまり。1999年までは米国ニューヨークの国連本部に、翌年からは軍縮会議が開かれるジュネーブを訪れている。今年は、全国から23人が選ばれた。活動期間は約1年間。
 若山さんは子どもの頃から、広島県出身の祖父から戦争体験を聞いており、自分だけでなく、広く多くの人に知ってもらいたいと応募したという。大分県からは9代目の大使。若山さんは「祖父は高校生の時に戦争を体験して、私は小学生の頃からその話を聞いてきました。体験談を私だけにとどめるのではなく、世界中の人に戦争の悲惨さ、平和であることの大切さを知ってもらいたいと思います。唯一の被爆国として、核兵器は必要なのか、作ってどうなるのか、そのあとどうなるのかを考えてほしいと思う」と話した。
 川上隆・副市長は「平和への思いはあっても、行動にはなかなか移せず、勇気がないと一歩は踏み出せないと思う。動いている人は強い。動くことがまず大事だと思うので、是非、頑張ってほしい」と激励した。
 高校生平和大使は18日から23日まで、国連欧州本部などを訪れ、核兵器の廃絶と平和な世界の実現を世界に発信する。1人ずつスピーチの予定もあり、若山さんは「活動を通して、平和への願い、祖父の体験を世界の人に知ってもらうことで、平和であることがどれほどありがたいことかを伝えたい」と意気込みを語った。

コメントを残す