韓を征する者

 1965(昭和40)年に、日韓基本条約(財産権及び請求権に関する解決並びに経済協力に関する日韓の協定)が締結された。
 約3億ドル(韓国2年分の国家予算)を戦後補償として無償で日本が提供。(さらに有償は2億ドル、民間借款は3億ドル)計8億ドル(総額で韓国国家予算の5年分の資金)を提供、融資。徴用問題等の個人補償は韓国側が一切これを行うとして、日本から一括の資金提供を受けた。戦前は最貧国だったこの国が、日本からの資金提供で一気に復興。「漢口の奇跡」と称され、発展途上から先進国の仲間入り。この条約は1951(昭和26)年の会談からスタート。発効までに14年の歳月を費やした。事後韓国はめざましい経済発展を経て88(昭和63)年のソウル五輪で海外旅行自由化。日本は70年代から日韓親善気運が生まれ、ソウル五輪で最高潮。湯の街別府の日韓親善志向は他都市の追随を許さぬ程の存在だった。
 65年の基本条約を否定して生まれた反日運動。再再燃焼化している。文在寅政権では国際法の順守など「目」ではないようだ。22日夕刻の「日韓軍事協定」の一方的な破棄がその典型。文政権は極東アジアの安全保障に役割をはたさない。日本の安全は視野にない。日本の拉致問題、あい次ぐミサイル発射などはどうでもいいというスタンス。国際社会の一員としての韓国の存在意義を自ら破棄したことになる。
 ここまで文政権が硬直化した背景には再燃の徴用工問題、日本の輸出規制への報復、そして、今夏の米韓軍事演習直後、北が文政権を痛烈に批判。「再び会談を催すべき相手ではない」と、金正恩政権高官のステートメントが発表されてからになる。それでも我が国政府関係者、由々しき事態としながらも「静観の構え」を主張する者もいる。まだマシか?北からは「征韓の構え」が見えてきた。  (陽)

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