別府市は、別府ツーリズムバレー構想推進協議会を立ち上げ、27日午後1時半、市役所で委嘱式と第1回総会を開いた。
別府ツーリズムバレー構想は、国際観光温泉文化都市である別府市の特色を活かして、新たな「しごと」をつくり、「ひと」を呼ぶあらゆる着想を実現するための仕組みを構築し、支援することによって産業・経済の進行と定住の促進の好循環を生み出し、観光ビジネスにイノベーション(経済発展の一因としての新しい技術発明)を起こし「儲かる別府」を作り出そうというもの。委員は、学識経験者や観光、産業、大学、金融機関など19人で構成されている。
長野恭紘別府市長が1人ひとりに委嘱状を手渡して「これからの別府市を運営する上でやらなければならない構想の1つ。一定の区切りがないものだと思っている。市内には8千人の学生がいて、別府が大好きで別府で新しい仕事をしたいと思っても応えるだけのものがない。自己実現できる、夢が可能になる町こそが人が集まり、よい循環を生み出すのが目的です。新しい支援の仕組みと同時に支える側にも目利き力が必要になる。別府らしく、常に進化して成長するツーリズムバレー構想を作っていきたい」とあいさつ。
総会では、会長に関谷忠・大分県よろず支援拠点チーフコーディネーターを、副会長に宮脇恵理合同会社アイ・ジー・シー代表社員を選任した。
事務局の産業政策課から、別府ツーリズムバレー構想のついて説明が行われた。別府市の人口は約11万7千人。産業構造は、サービス業などの第3次産業に携わっている人が90%。宿泊業は189事業所で、宿泊・飲食サービス業に占める割合は17・4%となっており、全国平均の7%を大きく上回り、大分県平均の12・2%よりも多い。
市内には3つの大学があり、留学生を含めて多くの優秀な人材が集結しているものの、ほとんどの学生は市外で就職をしている現状がある。今年、学生らがビジネスアイデアや夢をプレゼンして実現する「ONE BEPPU DREAM」を開催するなど関係機関が連携してサポートをする体制づくりをしてきた。
別府の基幹作業である観光を中心として、世界中から人財、ビジネス、知識、資金、情報が集まって交わることで国内後の観光ビジネスのイノベーション拠点を目指す。また、投資家や別府を応援する人でつくる「別府FANクラブ(仮)」も想定している。
総合政策アドバイザーの今村正治氏(元APU副学長)が「次元を超越した別府へ」と出して意見提案を行った。今村さんは
▽別府の世界観、哲学
▽想像・創造を生み出す環境・自然▽実業とアカデミズムの存在感
▽面白いことに力を発揮するプロフェッショナル▽遊び場 朝から夜までーを重点にあげて「勝ち負けではなく、大学が新しい人材を生み出していき、別府のまちに身を置く心地よさ、によって違うものが開けてくる」とした。
委員からは「つながりの見える化の先に新しいアクションが必要」「別府には、面白いことを展開できるフィールドがある。ユニークさがポイントだと思う」など様々な意見が出た。次回からは、課題や改善点の洗い出しなどを行う。