明礬のホテルで大型施設消防訓練

避難中に転倒した負傷者をシーツで作ったタンカで運んだ
はしご車で3階バルコニーから逃げ遅れた女性を救助した

 別府市消防本部(本田敏彦消防長)は令和元年秋季全国火災予防運動(9日から15日)の一環で、大型施設消防訓練を13日午前11時半、ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパで実施した。同施設自衛消防隊員25人、市消防本部・消防署20人の計45人が参加した。
 午前11時半ごろ、2階西側客室で火災が発生―と想定。
 ホテル従業員で組織する自衛消防隊が火災を発見、初期消火を実施したが、鎮火に至らず延焼した。避難中に転倒した負傷者を、従業員らがシーツを使ったタンカで運び出した。その後、意識の有無などを確認した。
 119番通報を受けて市消防署第1中隊の指揮隊、消防隊、はしご隊、救急隊が次々と到着。指揮隊は、避難した関係者から情報収集。救急隊員は、運び出された負傷者を引き継いで、救急車に搬送。消防隊は、ホースを延長し、放水をした。はしご隊は、3階北側バルコニーから逃げ遅れた女性1人を救出した。
 訓練終了後、施設関係者や消防関係者らが北側駐車場に集合した。
 高良真理ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ宿泊部長が「何かが起きたときにお客さまの命を守ることが、一人ひとりの責任と自覚して下さい。訓練を通して、課題も出てきたと思います。マニュアルはあるが、必ずしもその通りにはなりません。何度訓練しても、完璧にはなりません。いつ何が起きても対応できるようにしましょう」。
 浜崎仁孝市消防本部予防課長は「今年8月に行われた訓練より、動きが良くなっており、防火意識の高さを感じました。お客さまに安全で安心にホテルで過ごしてもらう努力をしていることが、伝わりました」とそれぞれ講評した。

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