日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査」の結果をこのほど、発表した。従業員20人以上の企業139社に対して行い、65社(回答率46・8%)が回答した。同公庫大分支店によると、県内の中小企業の景況は、弱い動きがみられるという。
今期(7~9月)の県内の業況判断DI(※DIとは、定まった指標を数値化して、単一の値に集約する加工統計手法)実績は、製造業は前期(4~6月)は17・2ポイント減少しマイナス26・9となった。非製造業は前期より14ポイント減少しマイナス7・9。全産業としては、前期より14・1ポイント減のマイナス15・7となった。来期(10~12月)の業況判断DI見通しは、製造業、非製造業のマイナス見通しの影響で、全産業でもマイナス見通し。来々期(2020年1~3月)の業況判断DI見通しは、全産業では引き続きマイナス見通しとなっている。
▽売上DIは、前期から29・4ポイント低下しマイナス21・6となった。来期はマイナス16・9に低下し、来々期は変わらずとなる見通し。
▽純益率DIは、前期から11・6ポイント減のマイナス16・3。来期はマイナス19・3に低下し、来々期はマイナス12・9となる見通し。
▽価格関連DIだが、販売価格DIは前期から13ポイント低下しマイナス8・0となった。仕入価格DIは前期から25・9ポイント低下し、12・2となった。来期は、販売価格DIは低下し、仕入価格DIは上昇する見通し。
▽金融関連DIでは、資金繰りDIは前期から8ポイント低下し、マイナス4・8。長期借入難易DIは前期から8・7ポイント低下して6・5。短期借入難易DIは前期から1・4ポイント上昇し16・9。
▽従業員DIは、前期から3・3ポイント減の9・2となった。来期は、さらに低下する見通し。
経営上の問題点は、「求人難」と「売上・受注の停滞、減少」が36・4%ずつと最も多くなっている。
日本政策金融公庫大分支店中小企業事業担当者は「先行きは注意を要する。各企業は状況を厳しめに見ており、慎重な見方をしている」と述べた。