日本でのカジノを含む総合型リゾート施設(IR)事業を巡る、贈収賄事件で中国企業「500ドットコム」が現金を渡したとしている衆議院議員5人のうちの1人とされている、大分3区選出の岩屋毅氏(62)が4日午前10時、別府市内のホテルで記者会見を開いた。
IRを巡る汚職事件は、秋元修司元衆議院議員が逮捕されたことを皮切りに、他の国会議員にも波紋が広がっている。岩屋氏は、IR事業の推進派として知られ、初期段階から関わり、超党派の議連幹事長も務めていたが、防衛大臣就任とともに幹事長職を離れていた。
冒頭、岩屋氏は「今般、IR構想に関する一連の報道について、中国企業が私を含む5人の衆議院議員に100万円ずつを渡し、IR議連幹部側に工作をしたという記事が出た。まず、はっきりと申し上げておきたい。私が中国企業から金銭を受け取った事実は断じてありません。ましてや、工作を受けたことも一切ありません。政治資金規正法からいっても、外国企業から寄付をもらうことはあり得ない」と強く否定。「何1つやましいことはないと思っていたが、こうなった以上、多くの支援者に心配かけている現状を受けて、速やかに説明をする必要があると考えた」と会見を開いた経緯を説明。
問題とされる100万円は、平成29年8月に、北海道の同僚議員の地元の政治資金パーティーで講師として招かれ講演したことに対するお礼の気持ちを込めて寄付をしたいと申し入れがあった。同年10月5日に自民党北海道第4選挙区支部から大分第3選挙区支部に寄付してもらったものであり、互いの政党支部の収支報告書でもきちんと報告している、と説明して「報道に大変驚いている」と話した。
岩屋氏は「超党派のIR議連の幹事長を務めてきたし、対策プロジェクトチームの座長もしてきた。こういう役を受けるに際して、肝に銘じてきたのは、どの地域、どの事業者についても便宜を図ることは一切しない。今日までこの姿勢を貫いてきた。天地神明に誓って、一切、不正にかかわっていない」として、中国企業については「ネットで宝くじを販売している会社との認識はあるが、IR事業者との認識はない」と述べた。
100万円という多額の寄付については、セミナー後、衆議院が解散して、事実上の選挙戦に入っていたので、陣中見舞いの意味合いも含まれていたのでは、との認識を示した。
東京地検特捜部からの聴取については「一連の事件の捜査に関することなので、コメントは控えたい。しかしながら、要請があれば、全面的に協力したい。嫌疑を晴らす必要がある」とした。
今回の一連の疑惑がIR事業に与える影響については「非常に心配をしているが、ほどなくカジノ関連委員会が正式に立ち上がる。同時に、政府から地域の選定、事業者の選定に関する基本方針が打ち出される。一切の不正は許されないのは、言うまでもない。政府において、厳格に透明性を持って行われると確信しているし、見守っていきたい」と話した。