別府市は、使用料の見直し案についてのパブリックコメントを募集している。
見直しをするのは、公共施設72施設、市営温泉14施設。年間管理運営で公共施設で約6億8千万円、市営温泉で約1億2千万円の多額の赤字となっている。
公共施設の年間の赤字が単体で一番多い施設で約6200万円にものぼる。公共施設の老朽化に伴う維持更新コストも増加。築30年以上の建物が全体の7割を占め、築40年以上が4割と老朽化が進行している。公共施設保全実行計画による長期シミュレーション推計によると、50年間の維持管理費総額は1807億円で、年平均36億1千万円とされている。物価上昇や改修費など維持管理費が増加する一方で、各施設とも、開設時から長期間にわたって一部の使用料以外に全面的な使用料改定を行っておらず、収入が一定になっていることも赤字増大の一因となっている。
持続可能な財政運営のためにも、受益者負担の適正化で公共施設のサービス水準の維持を図りたい考え。
維持管理費をもとに、コストを明確にした使用料水準を設定するが、急激な負担増とならないように、改定率の上限を最大2倍以内とした。平均改定率は、公共施設、市営温泉ともに1・3倍。これにより、ともに約1億円の増収を見込んでいる。
また、減免制度の見直しも行う。減免は施設ごとに対象が異なり統一されていないことや対象が拡大している上、減免団体が固定化されている実態がある。平成28年度実績では、約12億円の減免が行われており、うち市主催などの行事が約7億円となっている。減免から減額にすることで、約1千万円の増収を図る。減額は減額率の限度を令和3年までは最大75%とし、それ以降は50%に段階的に縮小していく計画にしている。福祉のあり方検討委員の意見を踏まえ、温泉優待券制度の見直しも行う。
パブリックコメントは2月3日まで、別府市のホームページや公共施設は財政課、温泉施設は温泉課で受け付ける。意見は個人情報を除いて2月中旬に公表。3月議会に条例改正を提案し、可決されれば10月1日から新しい料金体制になる。