サッカー女子日本代表選手が語る

自らの中学時代を振り返り話した有吉選手、坂口選手、鮫島選手(左から)


 別府市と日本体育大学の体育・スポーツ振興に関する協定事業「サッカー女子日本代表選手と考える中学生期の運動部活動について」が9日午後6時半、べっぷアリーナで開催された。中学校の部活顧問や部活動指導員、保護者ら約40人が参加した。
 平成30年度・2019年度スポーツ庁委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」リーダーの松田貴雄国立病院機構西別府病院スポーツ医学センター長が「中学期の運動部活動を考える」と題して、講話。女子サッカーで日体大卒の有吉佐織選手(日テレ・ベレーザ所属)と同じくプロ女子サッカー選手として活躍している阪口夢穂選手(同)、鮫島彩選手(INAC神戸レオネッサ所属)が参加した。
 松田センター長は、徐脂肪体重(脂肪を除いた筋肉、骨、内臓臓器、血液を合計した体重)を用いたヘルスマネージメントシステムの構築について研究をしている。「学期中は、週当たり2日以上の休養日を設けるようにと指導されているが、元々の海外の研究論文では週5日以上、同じスポーツをしているとスポーツ障害を起こしやすいというものであり、集中力がなくなった時にケガをしやすいというもの。海外では、シーズンごとに、様々なスポーツをする人が多い。大人になってからスポーツ障害を起こす人は、小さい頃から1つのスポーツだけをしてきて、その負荷が大人になって出てきたもの」として、集中力を欠いてケガをしないためには、運動中に進行する脱水を防ぐことが大切だと説明。「運動をする人は、体脂肪よりも除脂肪体重の方が大事。水だけをとるのではなく、捕食をすることも有効。水分の中には、赤血球が沢山浮かんでおり、アスリート貧血を防ぐためにも、中・高校生でもメディカルチェックを受けてほしい」とした。
 中学生時代を振り返り、有吉選手は「中学生の時からサッカーをするために違う県の学校に行って、寮生活をしていた。食べないと怒られていたので、何でも食べられるようになった」。阪口選手は「1時半ほどかけて電車でクラブチームの練習に参加していた。今は食べるものに気を付けているが、中学生の時は、好きな時に好きなものを食べていた」。鮫島選手も「土、日曜日は1日5時間の練習をしていた。1時間ごとに何か食べないともたなかった」とそれぞれ振り返った。
 現在の中学生に対しては「若い頃からこういった勉強が出来るのは、良いことだと思う。若い頃は気を使わなくてもプレーができたが、長く続ける中でレベルを上げるためには、勉強することが大切」などとエールを送った。

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