第63回日本学生科学賞(昨年12月、日本科学未来館)で、山の手中学校3年生の本田海渡さん(14)が、中学生個人の部で全国第2位となる文部科学大臣賞を受賞。長野恭紘別府市長に10日午後5時、市役所で報告をした。財前昭仁山の手中学校長らも同席した。
日本学生科学賞は、戦後日本の復興期に科学教育の振興を願い、未来の優秀な科学者を生み出すことを目的に昭和32年に創設された、理科教育に基づく中学・高校生の公募コンクール。
都道府県の予選を通過した138組が中央審査に進み、その中から20組が本大会に参加した。審査委員は、東京大学教授や高校、中学校などの校長、教諭等で、総合委員16人、専門委員44人で行う。大会には、秋篠宮皇嗣殿下も内覧された。
本田さんは、昨年度も作品を出品して予選は突破したものの、本選には出られずに入選3等を受賞した。今回は「磁気浮上について」をテーマにした。磁石の力を使えば、常温で、複雑な設備を必要とせずに物体を浮かせることが出来ることに着目。身近にある磁石などの道具を使って物体を浮かび上がらせることに挑戦した。結果、磁石を使ってシャープペンシルの芯を数ミリ浮かせることに成功。反磁性(磁場をかけた時、物質が地場の逆向きに磁化する性質のことで、すべての物質が持っている性質)の力の大きさをもとに計算したシャープペンシルの芯が浮かびあがる高さと、実験で得られた高さがほぼ一致。
今回の実験で0・1グラム程の物体しか浮かび上がらせることが出来なかったが「軸受けなどの摩擦を減らすことに応用できそう」としている。審査員からは、「磁石をVの字にしてN極とS極を組み合わせる発想がすごい」と評価されたという。
本田さんは小学4年生の時に市少年少女発明クラブに所属して、物理学への興味を募らせていったという。「物が浮いているのが面白いなと思った。今後は、もっと大きなものを高く浮かばせてみたい」と話した。長野市長も実施にシャーペンの芯を浮かせてみて「ひらめきがすごい。素晴らしい」と話した。