大分みらい信用帰庫の顧客でつくる「みらいしんきん同友会」の本店・野口支部(川本尚哉代表幹事)、南支部(後藤明文代表幹事)、山の手支部(中島一志代表幹事)の合同講演会が6日午後6時半から、別府市中央公民館で開催された。約120人が参加した。
2年連続で春のセンバツ出場が決まった明豊高校野球部の川崎絢平監督が「人間力向上」と題して講演した。川崎監督は智弁和歌山高校で3回の甲子園に出場し、1年生の時には優勝経験もある。奥さんの実家のある大分県に来て、いろいろな出会いを経て、明豊高校の野球部を指導するようになった。
「明豊に来た当初、大悟法監督のあと、バタバタしていた。多少、荒れた部分があった。練習を見たら、能力は高いのに、何故、勝てないのか。智弁和歌山と全然変わらないのに、というのが最初の疑問だった。理由はそのうち分かった。グラウンド整備は1年生がするのが当たり前になっていて、靴はそろってない、倒れたフェンスはそのままなど細かいところが全くできていなかった。いろんな人の優しさ、懐の大きさに恵まれてこういう立場にいると感じている。監督になって8年。やっと大分弁が分かるようになってきた。別府がすごく好きで、良い所だと思う。この町から日本一になることは、大きな意義があると思う。別府の町に自分が恩返しできることは何か。甲子園で優勝して、喜んでもらうのが一番良いので、目指している。それ以外に2年前から少年野球教室で、高校生が野球を指導することを始めた。地域貢献はもちろんだが、生徒に人に物を伝えることの大切さを勉強させたいというのもある」
「今までは、1つでも多く甲子園で勝ちたいという目標設定だった。今度は、そうじゃない。日本一以外はゼロ点だという目標にしたいと生徒に言った。日本一になることの難しさは、自分も高いハードルかは分かっている。最初から目指しているチームとあわよくば日本一になるチームは違うと思った」と日本一にかける思いを語った。
「恵まれた環境でやっているので、うまくなるのは当たり前。人間力のない人が練習しても変わらない。大きなことをやり遂げるのも、当たり前のことの積み重ね。それ以外に方法はないし、近道はない。そういう考えになったのは、明豊にきてから。そう思わせてくれたのは、他の部活動。ひたむきな諦めない姿を必ず見せられると思うので、応援してもらいたい」と話した。