別府市は、令和2年度の当初予算案を20日午後2時、定例記者会見で発表した。一般会計は554億4千万円(6月の肉付け補正後比10・2%増)、特別会計は533億8千万円(前年度比0・1%増)となる。過去最大の予算規模となった。
歳入では、給与所得の増による個人市民税の増加や家屋の新増築による固定資産税の増加など、市税全体では前年度より3%の増収を見込んでいる。自主財源は38・3%で、地方交付税などの依存財源は61・7%。
歳出では、民生費が全体の48・4%を占めている。労働費は、勤労者体育センターの解体が終了したことを受けて、35・8%減。公債費は、臨時財政対策債の償還の増によって償還元金は増額するものの、償還利子の減額で0・5%減となる。
別府西中学校建設や南部振興事業、亀川地区市営住宅集約建替事業などの大型事業が多いことなどが予算額の増加の要因となっている。財政調整基金は4億8555万円の取り崩しを行う。
長野恭紘別府市長は、会見で「令和2年度は、市民に寄り添う市政、市民が幸せを実感できるまちの実現を最大の目的に予算を編成した。やるべきことはやり、チャレンジ枠を設けるなどメリハリをつけた」と説明した。
重点3本柱である図書館等一体的整備事業に1億2166万9千円、東洋のブルーラグーン事業に1107万9千円、別府ツーリズムバレー推進事業に2999万円を計上。第2期総合戦略を推進することによって、まち・ひと・しごとの好循環を創り別府の活性化を図りたい考え。
市民福祉の向上を図るため、市民生活に密着した子育て支援や健康増進、行政サービス利便性向上などに取り組む。10月から市民税非課税世帯の小中学生の通院医療費を助成するための「子ども医療助成事業」2億2597万7千円の他、子ども家庭総合支援拠点の設置に伴う1185万7千円など。市民の安全を確保するための予算として、サイレンスピーカーの整備事業などを行う。
また、予算特別枠として「チャレンジ枠」を設け、11事業1億2688万3千円を計上。交通不便地域の解消や路線バスに替わる交通手段の確保に向けた対策の検討として「AI活用型オンデマンドバス実証通行事業」1611万6千円。ラグビーワールドカップ2019日本大会のレガシーとして、姉妹都市と文化交流などを行う「RWCレガシー事業」2126万6千円。市民の健康状態の「見える化」による健康寿命の延伸を図る「みんなで健活ポイント事業」2128万7千円。LINEの別府市公式アカウントを活用して行政サービスを提供する「ICT情報配信事業」595万4千円、防災無線の情報をスマートフォンで知らせる「防災情報提供システム整備事業」577万5千円。妊婦支援を行う「産後ケア事業」498万5千円。1中学校区をモデルに統括コーディネーター、協育コーディネーターを配置する「教育魅力化事業」197万4千円などを新規事業として掲げている。
水道局の当初予算額約30億円
別府市水道局も令和2年度の当初予算案を、20日の定例会見の中で、中野義幸水道企業管理者が説明をした。予算額は29億9618万6千円。
収益的収入は、営業収入など合わせて25億4460万2千円で、支出は23億8044万9千円を見込んでいる。資本的収入は企業債や工事負担金等で1億350万3千円、支出は建設改良費、企業債償還金など14億680万6千円となり、13億330万3千円が不足となる予想で、不足額は、過年度分損益勘定留保資金などで補てんすることにしている。
令和2年度の主要な建設改良事業は、施設拡張改良事業1億6310万3千円(うち耐震化事業5千万円)、配水管整備事業3億6530万円(全額耐震化事業費)、朝見浄水場既存施設更新事業4億1804万8千円(同3億8294万8千円)となっている。