猪の瀬戸湿原で春を告げる野焼き

春の訪れを告げる赤い炎が湿原を黒く染めていった

 NPO法人猪の瀬戸湿原保全の会(渡辺新十郎会長)、湿原を所有する城島高原オペレーションズ、環境省、大分県、別府市の関係者約60人が参加して、猪の瀬戸湿原の野焼きが7日午前10時頃から行われた。当初は2月29日に実施予定だったが、悪天候のため延期していた。
 猪の瀬戸湿原は、多くの貴重な生物などが生息しており、昭和28年には阿蘇国立公園に編入された。一時は森林化が進んでいたが、平成24年に40年ぶりに野焼きを実施した。昨年12月には、「別府市生物環境保護区」として42年ぶりに指定。湿原の環境保全のためにも、野焼きは欠かせないことから、毎年実施している。平成26年度からは、市政90周年記念行事の一環として、自然観察会もスタートしている。
 野焼きは、九州横断道路を挟んで、3つのエリアに分けて約12㌶を燃やした。6班に分かれて、入念に機材をチェック。渡辺代表が「9回目になりますが、くれぐれもケガがないように、慌てずに行って下さい」とあいさつ。安藤紀文別府市生活環境部長も「標高700㍍で、多様な動植物が生息しています。保護地区にも指定していますし、適切な管理にご協力をお願いします」と述べた。
 班ごとに配置について、火をつけると、あっという間に燃え広がり、パチパチと音をたてながら大地を真っ黒に染めていった。野焼きの後には、新しい芽が出て、春の訪れを告げる。

4月26日から観察会

 NPO法人猪の瀬戸湿原保全の会(渡辺新十郎会長)は、今年の自然観察会を4月26日からスタートさせる。毎月第4日曜日に実施。
 猪の瀬戸のバス停前に午前9時半までに集合。タオルや飲み物、記録用具を持参を。参加費は200円(保険料)で、未就学児は無料。問い合わせは090・2851・7911へ。

コメントを残す