別府市議会の令和2年定例会

 別府市議会は23日午前10時、本会議を開いた。
 予算決算特別委員会の森大輔副委員長が審査結果について「市民に寄り添う市政、市民が幸せを実感できるまちの実現を最大の目的に行ったとの説明がなされたが、敬老祝い金の削減や使用料改定等により、市民の負担感が増している。また、大型事業の計画、経常的経費の拡大、公共施設の見直し等により、財政見通しは非常に厳しい状況である」として、経常収支比率の改善を求めるとともに、財政運営の更なる厳格化を求めた。
 討論で、平野文活氏(日本共産党議員団)と泉武弘氏(行財政改革クラブ)が一般会計予算案、団体運営補助金、使用料改定などについて反対の考えを示した。表決では、一部議案では反対があることから多数決が行われ、賛成多数で原案通り可決された。
 また、新型コロナウイルス感染症対策のための追加の補正予算案が計上された。長野恭紘別府市長が「収束の兆しが見えない状況に不安を抱える市民や経済活動の停滞による資金繰り等への不安を抱える事業者からの様々な相談、問い合わせを受け付ける総合窓口を開設した。学校の臨時休校による児童・生徒への影響や保護者の負担などが懸念されるとともに、市旅館ホテル組合連合会の調査では、3月の宿泊客数は前年比6割減、4月も同程度の落ち込みが見込まれており、今後の状況次第ではさらに厳しい状況が予想される」として、切れ目のない力強い対策を打ち出すため、6900万円の一般会計の増額(補正後の予算額は513億4500万円)を計上したことを説明した。
 補正予算の主な内容は、保育所、認定子ども園、放課後児童クラブなどが必要とするマスク、消毒液等の購入補助金で、国の緊急対応策第2弾による補助金を活用する。小学校の臨時休校に伴い、放課後児童クラブの3月分利用料を減額または返金した場合の減収補てん金。事業活動の縮小への対応として、市中小企業向け融資制度や大分県新型コロナウイルス感染症緊急対策特別資金の利用者に対する利子補給などを行う。
 泉氏は「相談窓口の件数や内容はどうか。午後5時過ぎや休日の相談について前向きに考えてほしい。思い切った財源措置をしてほしい」と要望。白石修三経済産業部長が「19日現在で21件で、病院に行きたいや発生したらどうしたらよいかという内容」。内田剛・共創戦略室長は「現在は、時間外は県の相談窓口を案内しているが、状況によっては拡大も考えていきたい」とした。
 美馬恭子氏(日本共産党議員団)は「マスクや消毒液の購入費を補助するというが、不足しているのが現状。備蓄には限りがあるとは思うが、いつから市中に出回るか分からない中で、早急に配布してほしい」とした。
 任期満了に伴う人権擁護委員に雨宮洋子氏を推薦することについて議会の意見を求め、同意した。また、市市議会委員会条例の一部改正、中高年のひきこもりに対する実効性のある支援と対策を求める意見書、介護施設の人員は市基準の引き上げを求める意見書が議員提出議案として出され、2件が可決された。

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