新型コロナウイルス感染症対策における観光・産業関連団体との意見交換会が3月31日午後1時、別府市役所5階大会議室で行われ、32人が出席した。
緊急事態発生時の迅速な対策や誤った情報による混乱を防ぎ、基幹産業の観光・産業関連団体が連携した地域経済への取り組みが目的。
出席者は、マスクを着用し、入室前に検温。異状がなければアルコール消毒液で手洗いをしてから入室した。意見交換会中は、窓や出入口を開けて換気するなど、感染予防に努めた。
長野恭紘別府市長が「皆さんが、事業を守り雇用を守るために日々奮闘していることに対して、感謝しています。出口の見えない長期戦の様相です。まさに“国難”です。国難に対して、市民が一致団結してさまざまな対応をしていく」とあいさつ。
別府市の取り組みとして、防災危機管理課が「市役所業務継続の考え方」「職員の健康状況把握」「市役所関連での発生における確認しておく事項」「感染症発生時のタイムライン」「別府市での発生」、産業政策課が「別府市の中小企業資金繰り支援」「中小企業者向け新型コロナウイルス感染症に関する情報」、観光課が「#別府エール飯」「緊急時における対応記録表」について説明した。
意見交換会に移り、西田陽一市旅館ホテル組合連合会長が「宿泊施設の状況は、卒業旅行も一段落し、4月は昨年同時期の売上より9割ダウンという数字が出ている。5月のGWは、通常だと満室ですが、今は5割から7割。お客さまは『様子見』している状況。これからキャンセルが出るかもしれない。平均して、売上が7~8割ダウンするところがあるかもしれない」と話した。
雇用維持について聞くと、山口巧別府市タクシー協会会長は「タクシー業界は、労働集約型で企業規模と比べて従業員数が多い。会社存続のためにも、雇用の確保、安定は至上命題。業界として、別府市ではなく国に要望したい。企業として一時的でも負担の軽減などをしないといけない。融資があれば、従業員を含めて所得の確保につながっていく。検討して欲しい」と答えた。
また、赤嶺リサ別府料飲協同組合理事長は「先日、小池百合子都知事が繁華街の自粛要請をしました。組合員も3月いっぱいで3~4件が閉店。それに伴って風俗営業法を取って営業している人もいる。しかし、風俗営業法で営業している業者への融資が上手くいっていない。国、県、市町村がある程度の緩和策をし、融資していただけるような方法を作ってほしい。明日から営業するのか。いつまで休めばいいのか。先が見えない状況である」と質問すると、白石修三市経済産業部長が「日本政策金融公庫などの融資がある。我々でも対応できるものがあるので、相談して下さい」、長野市長は「業界、団体に市役所の方からプッシュをして、出来たら団体の方でもプッシュして下さい。全力で事業継続、雇用を守るために最大限、考えていく」と答えた。
交通情勢について、甲斐裕明JR別府駅長(1日付けで大分駅長就任)は「減便をしている。新幹線やソニック(特急)は密閉しているが、空調をしっかりとしている。普通(各駅停車)は停車時にドアを開けており、換気している。車庫に入ったら消毒をしている。これから先も、行政と一緒に活動していきたい」。
日名子哲也亀の井バス取締役管理本部長は「毎日出勤時に、検温している。高速バスは換気を怠らず、帰社したら高速バス、路線バスは消毒している」とそれぞれ話した。
小川雅代別府温泉旅館女将の会会長が「3月の予約は、当初203件だったが160件のキャンセルがあった。女将の会の会員に話を聞くと4月の予約は会員の半分以上がゼロ。あるホテルは、ひと月のうち15日を休館とし、従業員に休んでもらうようにしたところです」と旅館ホテルの現状は悲痛な叫びとして響いた。