ドクター「アキノ」コロナを斬る!①

▽解説者=公明党参議院議員(医学博士)=秋野公造氏

 戦後初の「国難」は、新型コロナウイルスの感染拡大。未曽有の事態に対応するため、専門家であり国政の分野で発生当初から警鐘を打ち鳴らし続ける秋野公造氏(52=公明党参議院議員)。18年前、新型インフルエンザが猛威を振った当時、羽田空港の検疫所長として最前線に立った。今回機会を得て今日新聞特集インタビューに応えてもらった。新型コロナウイルスの「実体」、「性格」そしてこの災いを防ぐ「知識」を分かり易い口調で解説していただいた。以下は秋野氏との1問1答。

分かりやすい丁寧な口調で
答える秋野公造参議院議員

Q・現在どんな状況ですか?

A・安倍首相が緊急事態宣言を発令し、新たな感染集団を出さないために重要な「正念場」。3つの「密」が重なる場で感染が起きており、人と人との接触を避けるために外出自粛や休校、入国制限などはやむを得ないこと。感染経路が不明の患者が全国の複数地域で出ていますが、「クラスター」と呼ばれる感染者の集団が、連鎖的に感染を起こしています。感染者と濃厚接触した人全員が感染するわけではなく、むしろ無症状または軽症の方が、ライブハウス、カラオケボックス、スポーツジムといった①換気が悪い「密閉」空間、②多数が集まる「密集」場所、③間近で会話したり発声する「密接」場面の三つの「密」が重なる条件で感染の拡大が起きています。家庭内での感染も注意が必要です。
 集団感染が次の集団感染を生み出す連鎖を防ぐことが大事で、首相が4月7日、「緊急事態宣言」を発令しました。
 健康な子どもや若年者は比較的軽症なことが多く、こうした無症状の患者から、うつる事例もあります。特に高齢者や基礎疾患のある人は症状が重くなりやすい傾向があります。避けるべきは「重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人への感染」であり、最優先すべきは重症患者の命を守ることです。そのために感染の拡大を防がなくてはなりません。不要不急な集会の自粛や休校措置、今般の入国制限の強化は、妥当な判断です。

Q・各人が気を付けることは?

A・不要不急の外出、なかでも3つの「密」を避け、手洗いと咳エチケットをを徹底。栄養と睡眠で体調管理を。こまめな換気も大事。重症化リスクの高い人に感染させない行動を。
 新型コロナウイルスは、飛沫感染(くしゃみ、咳などで放出されたウイルスを吸い込むことによる感染)と、接触感染(ウイルスが付着した手で顔を触り、目、鼻、口などの粘膜から感染)によって、うつると言われています。
 このため、一番の感染予防策は、入念な手洗いと咳エチケットの徹底です。次に、ドアノブ、トイレ、洗面所などを共有するところを消毒し、汚れた手で顔をむやみに触らないこと、そして室内のこまめな換気です。栄養と十分に睡眠を取って下さい。不要不急の外出は控えて下さい。風邪症状や37・5度以上の熱が出た人は、なおのこと学校や会社などを休んで外出を避け自宅で療養するようにしてください。学校の休校などに伴い、子どもたちの過ごし方で不安な人も多いと思いますが、カラオケボックスといった3つの「密」が重なる閉鎖的空間を避けて下さい。公園などで友だちと遊ぶことは、ほぼ問題ないと言えます。  (その②へつづく)

コメントを残す