新型コロナ対策で市営温泉の利用市民限定

市営温泉では、市民のみの利用制限を設けて
県境を越えた移動自粛を促している

 長野恭紘別府市長は28日、定例記者会見の中で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策のために寄せられた寄付金を活用するための「別府市新型コロナウイルス感染症対策おもいやり基金」を創設する考えを示した。
 これまでも数件の寄付があり、長野市長は「1人10万円が支給される特別定額給付金を寄付したいとの声もある」として、寄付者の意思に沿って、使途を明確にしてさらなる対策の充実を図るための資金とする方針。
 基金の使途としては、現場の最前線で感染リスクを抱えながら働いている医療機関の関係者をはじめ、各施設への支援、学校の休校に伴う食費の増加で経済的負担が増えている家庭への支援、経営が厳しい中小企業への支援、未来を担う子どもたちへの支援などを想定している。ふるさと納税制度も同時に活用して、対策の充実・強化を図っていく方針。基金の設置条例案を市議会に提案する。
 また、市営温泉や市内の公園について、29日から当分の間、利用者を市民に限定する。市営温泉の利用では、住所の確認をさせてもらう場合もあるという。利用制限をすることで、広域での人の移動を抑制するのが目的。別府、南立石、鉄輪地獄地帯、北石垣、上人ケ浜の5つの大きな公園については、今回の緊急対策で雇用した職員を配置して、感染防止の啓発活動や消毒作業を行ってもらう。
 さらに、現在、上下水道局で配布している次亜塩素酸ナトリウムの配布について、7日から手指消毒にも使える次亜塩素酸水に変更することも発表した。次亜塩素酸ナトリウムは手指消毒には使えないことから、2日目をピークに27日までに3830㍑を配布した。次亜塩素酸水に変更することで、多くの人が訪れることが考えられるため、地区ごとに指定の曜日に取りに来てもらうようにする。その際、郵便物など住所が確認できるものやペットボトルの容器を持参を。配布量は、個人、事業者ともに1人当たり1回500㍉㍑までとする。
 長野市長は「改めて、このゴールデンウイーク中の県境を越えた市民の外出を自粛してほしい。県境を越えて別府に来ることは自粛して下さい。今来ていただいても、お互いが気まずい気持ちを抱くだけで十分なおもてなしは出来ません。どうか、理解をしていただきたい。状況に応じて柔軟かつ的確に対応するとともに、反転攻勢の時期まであらゆる施策を総動員して、強い決意で引き続き対策に取り組んでいく」と話した。
 次亜塩素酸水配布の地区ごとの指定曜日は次の通り。▽月曜日=南立石、鶴見、東山▽火曜日=境川、北、緑丘、石垣、春木川▽水曜日=朝日、大平山▽木曜日=亀川、上人▽金曜日=野口、青山、西、南、浜脇。

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