大分みらい信用金庫(森田展弘理事長)は、大分、福岡県内の取引先215事業所に対して、景気動向調査と同時に、特別調査として「外国人・海外情勢と中小企業」を実施した。
調査先は、サービス業と小売業各60社、製造業31社、卸売業25社、建設業22社、不動産業17社。
新型コロナウイルス感染症の影響が出る前は、旅行客の増加や外国人労働者の受け入れ拡大など、海外とのつながりが強まっていた。「事業環境や地域社会の中で、外国の人と接触する機会が増えているという実感はあるか」との質問に対して。170社が「変わらない」と答えている。一方で、サービス業では10%が「非常に増えている」と感じており、外国人観光客の増加などが体感としてあることがうかがえる。
「外国人労働者を雇用しているか」との質問には、「雇用している」と答えたのは9・4%にとどまった。「雇用していない」と答えた事業所に、今後雇用の予定があるか重ねて聞いたところ、88・3%が「予定なし」と答えた。
売上全体における外国人(旅行者を含む)、もしくは外国企業向けの売上(輸出を含む)の割合を聞いたところ、「売上がある」と答えたのは14・1%だった。海外向けの売上増加のために取り組みをしていると答えた8・1%の事業所の具体的な取り組みは▽製品・商品・サービス面の開発強化▽営業力の強化▽ネットや広告による情報発信▽海外拠点の設置・強化など。
逆に取り組みを行っていないと答えた事業所の理由は「国内だけで十分な売上がある」が54・8%と最も多いが、「何をすればいいのわからない」と答えた事業所も19%ある。
「経営上、特に注目している海外情勢はあるか」の質問には、「ない」と答えた事業所が37・7%、次いで米中貿易摩擦22%、日中関係18・3%、日韓関係6・8%、中東情勢3・1%などとなっている。