個人情報、2人の資料紛失

書類紛失で謝罪をした柏木次長、松川部長、森本参事(左から)


 別府市は22日午後3時、市役所で会見を開いて特別定額給付金の交付事務の中で、2人分の手続きに関する問い合わせ文書と関連する住民基本台帳情報を紛失したと発表した。
 別府市では4月27日からべっぷアリーナで特別定額給付金支援班を設置して、給付申請の支援を行っている。5月1日に市外に住む2人から、住民票は別府市にあるが、様々な事情で市外に住んでいることから、現在住んでいる住所へ申請書類を送ってほしいとの文書が支援班に届いた。文書担当職員が住民票の有無を確認するために情報担当職員に2通の文書を手渡し、情報担当職員が対象となる2人の住民基本台帳を確認して紙に出力した。出力した紙は対象者が送ってきた文書と一緒にホチキスで止めて文書担当職員に手渡しで戻したという。受け取った職員は回覧処理をするため、自分の机の上に書類を置いていた。
 翌2日に文書担当職員から受け取った文書の所在が分からなくなっているとの報告を受け、文書を探したものの見つからなかった。他の書類と一緒に市役所に持ち帰ったことも考え、捜索範囲を市役所本庁まで広げ、シュレッダーにかけた可能性も考えて、シュレッダーにかけた後の紙もていねいに調べたが結局見つからず。依頼者と連絡を取り、18、19日にそれぞれを訪問してお詫びと状況報告を行い、併せて給付金の支給手続きを行った。書類の捜索は現在も行っているが、見つかっていない。
 会見には、別府市コロナウイルス感染症緊急対策事業実施本部長の松川幸路企画部長、同総合受付本部班長の柏木正義企画部次長兼総合政策課長、同支援班長の森本悦子社会教育課参事が出席。
 冒頭、松川部長が「皆様の関心の高い特別定額給付金の事務処理に対してこのような事態を起こし、市民の皆様にお詫び申し上げます」と謝罪した。森本班長が経過と再発防止策について説明をした。担当職員はいずれも市の正規職員。基本台帳には、氏名、年齢、性別、生年月日、選挙区などが掲載されており、「個人情報が漏れたということは確認できてない」と述べた。松川部長は「事務所は急場づくりで、長テーブルを使っているので引き出しもないことから、カゴに入れておく管理の仕方になっていた」と話し、執務終了後は事務所には鍵をかけていたと説明した。
 今後は、▽住民票の確認は担当職員が住民基本台帳参照画面を確認するのみとする。紛失発覚後はチェックリストを作成しており、そのリストに沿ってチェックするだけで紙での出力は行わない▽原本の記録、保管方法を徹底して、事務処理過程においてはプラスチックケースに入れて他の書類と区別化を図る▽支援班内に鍵付きロッカーを設置して、申請書類及び個人情報関係等重要書類を保管。事務所の施錠と併せて2重施錠にするーとした。

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