別府で暮らす学生に食糧を

APUプラザ内には
各企業・団体、個人から届けられた食料品が
お米を寄贈して出口APU学長からの礼状を
手にしたエトーシンの尾藤社長(右)と旭環境管理の梶原社長

 新型コロナウイルス感染症の影響で、日本人、外国人問わず、生活が貧窮する大学生が別府市内に多くいる。大学では、オンライン授業をするなど学業面では新たなスタートを切っているが、生活面では苦しい状況が続いている。
 新型コロナの影響で多くの飲食店、旅館ホテル、観光施設などが臨時休業をする中で、学生はアルバイトがなくなり、生活を切り詰めている。立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生有志でつくる「APUハンズ」は、いち早く学生支援に乗り出し、多くの企業や個人が食料品の寄贈や寄付金を寄せている。
 5月30日は午前11時前後から、各事業所や団体がAPUプラザに食料品を運び入れた。学生アンケートで最も需要が高かったのは、お米。酒類や米穀を扱う「株式会社エトーシン」はお米500㌔㌘、「旭環境管理株式会社」は2・5㌧をエトーシンから購入し、複数回に分けて支援。普段から交流会などをして学生と交流がある「別府法人会」はインスタント麺を54ダース、法人会に賛同した総合食品雑貨卸で焼麩・きな粉製造の「株式会社豊豫物産」もカレー粉、お麩、パン粉、缶詰などを運び込んだ。
 「宝物産」からお菓子、大分市にある「田口菓子舗・やせうま本舗」から100箱、「蘭王たまごの郷」から玉子の他にも、個人からもジャガイモやタマネギといった野菜等が届いた。学生には随時配布を予定している。
 この日搬入した企業・団体には、出口治明APU学長からの礼状や記念品が贈られた。
 エトーシンの尾藤敏行代表取締役と旭環境管理の梶原泰雄代表取締役社長は社員と一緒にお米を運び込んだ。尾藤社長は「うちもAPU生を雇用したりしている。困った時はお互い様。地元企業として支援したいと思った」。梶原社長も「別府の企業として、これからを担う学生を支援したいと思いました」と話した。別府法人会の菅健一会長は自ら軽トラを運転してきて、運び込みも自ら行った。豊豫物産の三ケ尻英明会長も荷物を選別して荷下ろしを手伝った。法人会は市内の大学の学生に支援を行うことにしており、豊豫物産もこれまで母子家庭の子どもたちにラーメンを届けるなどしている。みんなが「困っている別府の学生のために」と協力をしている。

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