走り幅跳びの中西麻耶さんが講話

子どもたちは真剣な表情で中西さんの話を聞いた(亀川小学校で)

 別府市教育委員会は、子どもたちとトップアスリートをオンラインで結んで、話を聞いたり一緒に体を動かしたりする「別府子どもエールスポーツ」を行い、最終回となる3回目は、市立南小学校と市立亀川小学校を結んで2校同時に実施した。講師は、明豊高校の卒業生で陸上のパラアスリート・中西麻耶さん。南小6年生41人、亀川小4年生71人が参加した。
 中西さんは大阪生まれで、子どもの頃から由布市で育った。ソフトテニス選手だったが、高校卒業後の仕事先で事故にあい、片足を切断。義足をつけて陸上競技(走り幅跳び)に転向し、北京、ロンドン、リオデジャネイロの3つのパラリンピックに日本代表として出場。昨年の世界パラ陸上選手権大会では金メダルを獲得。アジア記録を持っている。東京大会にも日本代表が内定しており、活躍が期待されている。
 中西さんは「勇気を持つこと」をテーマに講話。自身のこれまでの経歴を紹介しながら「スポーツを諦めたくなくて、切断して義足にするという決断をした。闘う前に『負ける』と思ったことはなかっけど、北京で初めてそういう気持ちを体験して、自分が嫌だった」と振り返り、米国に留学して出会ったコーチの言葉で「誰からも応援してもらえる選手になろう」と決意して、大分に戻り、大分から世界を目指してきた。ロンドンパラで初めてメダルを獲得し、それから記録を出すように。外でトレーニングをするために実家を出て、2月から大阪で1人暮らしをしている中西さんは「離れていても、心は大分の事を想っています。小さい事でも良いので、勇気をもって第一歩を踏み出す習慣を身に着けてほしい。私も、勇気をもって、メダルを取りたい」と決意を述べた。

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