別府市消防本部警防課は3日、7月末日までの熱中症による搬送者数(速報値)を発表した。
別府市内の昨年7月末までの搬送者数は25人だったが、今年は7月末の時点で13人と、12人減少している。これは梅雨入りが昨年より6日遅く、梅雨明けが11日遅いことから、暑くなる日が遅かったため、搬送者が少なかったと推測される。今後は暑い日があると予想されるため、搬送者数が増える可能性がある。
搬送者の年齢区分は、7歳以上18歳未満の少年が1人、18歳以上65歳未満の成人3人、65歳以上の高齢者が9人となっており、高齢者が約7割を占めている。
男女別では、男性10人、女性3人となっている。
発生場所として、不特定多数が出入りする飲食店や公衆浴場などの屋内部分・小学校などの教育機関・住居などの「屋内」で9人、道路工事現場などの仕事場・不特定多数が出入りする駅や競技場などの屋外部分・道路などの「屋外」で4人と、屋内の方が多い。
傷病状況は、死亡ゼロ、3週間以上の入院が必要とする重症ゼロ、1日以上の入院が必要とする中等症6人、入院の必要がない軽症7人となっている。
荒尾大介別府市消防本部次長兼警防課長は「梅雨明け以降、急激に熱くなり、多量の汗をかくことで熱中症になりやすくなります。また、今夏は新型コロナウイルス感染症防止のため、マスクを着用する機会が多くなるので、こまめな水分と塩分の補給を心がけて下さい。新しい生活様式を心がけて、新型コロナウイルス感染症予防をしながら、熱中症予防にも心がけて下さい」と話した。
また、体調不良などで救急車を呼ぶか判断できないときは市消防本部(電話25・1122)まで連絡してほしいという。ただし「意識がおかしい」「自分で水分が取れない」ときは、ためらわずに119番通報をするよう呼びかけている。
厚生労働省も「新しい生活様式」における熱中症予防ポイントとして▽マスクの着用=高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがある。屋外で人と十分な距離(少なくとも2㍍以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにする。マスクを着用する場合は、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がける▽日頃の健康管理=「新しい生活様式」では、定時の体温測定、健康チェックをお願いしている。これらは熱中症予防にも有効で、平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできる。体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養する―などと呼びかけている。