日本共産党所属の大分県議会議員猿渡久子氏は9月定例県議会で一般質問に立った。コロナウイルスの感染拡大防止と感染者への対策、7月豪雨被災者への対応をはじめ教育問題など幅広い議論や要望を展開。生活者の支援救済という立場に寄り添った発言。地元別府の「八湯温泉道名人」を県のレベルまで引き上げ、広瀬勝貞大分県知事も引っ張り込んだ別府温泉のよき「理解者」バリの答弁を得た。以下は質問の要旨。
質問 「新型コロナウイルス感染症への対応について」
まず、保健所や医療・福祉関係者はじめ多くのみなさんの日々の努力に感謝申し上げたい。
日本共産党は7月28日、安倍晋三当時首相に対して新型コロナ対策に関する「緊急申し入れ」を行った。感染拡大を抑止するため感染震源地でのPCR検査の抜本的な拡充を求めた。8月7日には大分県に対しても「緊急申し入れ」を行った。
▽大分県でも医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR検査や抗原簡易キットによる検査等を行い、必要に応じて、施設利用者全体を対象にしたPCR等検査を行うことが必要。PCR等検査対象者の拡充と検査体制の充実について知事の見解を。
▽市町村への検査結果等の情報提供について、市町村ごとの検査数や陽性率、入院患者数等を開示してはどうか。地域住民の間では漠然とした不安が残っている。
▽陽性患者への対応状況と医療機関への支援について、検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療する体制を整備することは、非常に重要なこと。減収となった医療機関の従事者の処遇改善、危険手当の支給、心身のケアのために、思い切った財政的支援が必要。県の見解を。
▽中小企業・小規模事業者・フリーランスの支援策について、コロナ禍で5割以上減収した事業者には持続化給付金が給付されている。「5割も減ったらつぶれてしまう。5割に満たない減収でも支援を」という切実な声が寄せられている。柔軟な対応を国に求め、対象を拡大するなど支援策を強化すべきと考える。見解を伺いたい。
答弁 「PCR等検査対象者の拡充及び検査体制の充実について」
本県の検査能力は、本年2月時点では1目28件でしたが、6月には大分市保健所と合わせて264件に拡大しました。さらに今月中には、14の医療機関にPCR検査機器を整備することで1日762件の検査が可能に。
併せて、安定した検査体制を確保するため、保健所の検体搬送業務を振興局など他機関が代行するとともに、農林水産部等の獣医師を対象にPCR検査の研修を実施し、衛生環境研究センターヘの応援体制を構築するなど、組織面でも対策を強化しています。
こうした取組により、万一、県内でエピセンターといわれるような状況が発生した場合にも、対応は十分可能であると考えています。
医療機関、介護施設等におけるクラスター予防の重要性は言うまでもありません。大分県では、感染者多発地域で検討されている定期的なPCR検査は今のところ実際に行う必要はないと認識しています。インフルエンザの流行期を迎えるに当たって、県民の皆さんがどこに住んでいても、必要な検査を受けることができるよう、抗原検査キットの活用も含め、検査体制の更なる拡充を図ってまいります。
全ての医療従事者等に対する5万円から20万円の慰労金の支給は、本県が全国で最も早く開始しており、既に対象者の約7割に支給済み。様々な支援を通じ、医療従事者の安全・安心を確保するとともに、医療機関の経営の安定化を図ってまいります。
中小企業・小規模事業者・フリーランスの支援策について応損金の条件となる国県の新型コロナウイルス関連融資は、売上が3%以上減少した事業者から利用が可能であり、応損金の申請件数も既に1万件・21億円を超えている。金融機関等には資金繰り支援強化の要請も行っていますが、長引く感染伏況を踏まえ、継続支援として、融資枠の拡大や応損金の追加給付を予算計上したところ。9月7目時点での全国の給付件数は約329万件と聞いているが、全国知事会では、引き続き複数回給付の検討等制度改正を国に要望しているところ。なお、収入が減少した世帯には、償還特例もある生活福祉資金により対応しており、融資実績は14134件・約51億円となっている。延長が決定された雇用調整助成金、家賃支援給付金など国の様々な支援制度を含め、商工団体やよろず支援拠点などと連携し、事業者支援にしっかりと取り組んでいきます。 (つづく)