別府競輪場視察者へタクシーチケット等

 別府市監査委員は28日、7月30日付で提出された、別府競輪場の他市から来た視察者に対して、タクシーチケットの提供やクオカードの取扱などに違法性があるとする住民監査請求について「違法性はない」として、棄却した。
 請求では、昨年7月に別府競輪場で開催された第15回GⅡサマーナイトフェスティバルで全国各地の競輪施行者の職員ら47人が別府市を訪れており、あらかじめ別府市が提供したタクシーチケットを利用したが、出張職員らは、所属する自治体から旅費などを支給されており、移動の経費はそこから支出されるべきとして、違法かつ不当な支出であると主張。また、クオカードの作成と管理について、送付元、使用目的、使用者の欄などが空欄になっているものがあるなど、管理がずさんで管理簿の補正は信用できないーとしていた。
 監査委員は、関係者への聞き取りや事実関係の確認などを行った。タクシーチケットについては、判例を基に提供に伴う支出が社会通念上儀礼の範囲にとどまるかどうかを争点とした。来場者は別府市から招待した人であり、支出総額は4万9830円で、使用枚数は30枚だった。総合的に判断して、「今回のタクシーチケットの提供が直ちに違法性又は不当性を帯びるものではない」と判断した。
 クオカードについては、「クオカードの配布はそもそも公金の支出には当たらないことから、違法かつ不当な公金支出とはならない」として、国の省令でも販売促進費にクオカード製作代が含まれていることから、それに関する支出については、国も認めているとしている。受領者が受け取ったこと、残枚数も現存していることを確認した。
 一方で、▽全国の競輪事業施行者を招いた際に交付しているタクシーチケットについて、その使用基準等を明確化し、より厳格な運用を図る▽クオカードの管理について、紛失や着服を疑われることがないよう、管理簿への記載について確実に行うとともに、金券に類するものであることに鑑み、厳格な管理を関係職員に徹底する▽管理簿の送付元、使用目的、使用者は分かるものの、その後の配布先の詳細が不明。さらに詳細な記録をつけ、関係資料を添付して管理するーことを求める付帯意見をつけた。
 住民監査請求を行ったNPO法人おおいた市民オンブズマンの永井敬三代表は「監査結果については、さらに精査し、提訴の可否やその他の対応等を検討する」としている。

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