原田孝司県議の一般質問①

 大分県議会県民クラブ所属の原田孝司氏は元公立小学校の教諭。23年間教べんを振るい、別府市議を経て現在3期目、ベテランの域に入った。今定例会の一般質問は防災、コロナ、財政、十八番の教育行政から国民健康保険と幅広い。同僚議員に言わせるとネアカな性格で仕事は「超マジメ」。当局答弁を得た後も、要望要請をくり返すなど決めゼリフにも貫禄が備わってきたようだ。

コロナ、財政、災害、教育、幅広い質問を展開

質問 「防災対策について」
 (1)地域防災リーダーの育成について
 (2)内水氾濫について

 今回の7月豪雨では、避難が間に合わなかった方など残念ながら6名の方がお亡くなりになりました。
 防災士の方々を対象に、内閣府も推奨している「地域防災指導員」の育成と認定を提案した。一度に大量の雨が降ると、側溝などの排水路だけでは流しきれなくなり、建物や土地・道路が水につかってしまう都市型氾濫である「内水氾濫」が問題となっている。
 7月豪雨の際、大分市の住宅街の明磧地区などで内水氾濫により、床上浸水が起きた。いたるところで大雨時に側溝から噴水のように水が噴き出している様子を見る。県内の内水氾濫の状況と対策について。

答弁 本県では「地域防災指導員」と同様の趣旨で、消防・自衛隊・気象台OB等、防災の専門家による「大分県防災アドバイザー」を構成し、自主防災組織への研修講師等を2011年度から活動していただいている。防災士の活動と両輪で地域防災力を高めていきたい。
 県内ではここ10年で床上・床下合わせて178戸の内水氾濫被害が出ている。対策例として、大分市の片島や光吉地区では雨水管の新設や排水ポンプ場の整備が進められている。

※答弁後、大分県として、県内市町村へ内水氾濫危険箇所の調査とハザードマップへの掲載を進めていくよう要請した。

質問 「新型コロナ感染症に関わる問題について」
 (1)コロナ禍に対する市町村支援について
 (2)感染者の人権を守る取り組みについて

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、本県でも観光・宿泊産業や飲食・外食産業をはじめとして様々な業種で厳しい経営状況が続いている。非正規雇用の方などの雇用環境にも影響が及んでる。
 この苦しい期間を乗り越えていただくため、別府市のように会計年度任用職員として雇用するといった独自の手立てを講じているところも。県にはこのような市町村を支援し、行政が一丸となって少しでも影響を小さくすることが求められているのではないか。
 感染した方々が多くの誹謗中傷を受けているという話を耳にした。茨城県、鳥取県や長崎県などいくつかの県では、啓発とともに被害者に支援や必要な措置、人権侵害に関する専門の相談窓口の開設、法的措置などを希望する場合には弁護士による相談も受けられるようになっている。政府もクラスターが発生した飲食店への営業妨害について、対策を検討するワーキングチームを設置した。
 大分県でも、相談体制を整えるとともに、毅然とした態度で臨むべきだと考え、今後の対策について。

答弁 相談内容や被害の程度等に応じて、人権侵害事案は法務局、犯罪性があれば県警など関係機関と連携し解決を図っている。
 新型コロナウイルス感染症に関しても、過剰な入店制限等の相談事例があったが、市町村と連携して、店舗の責任者に人権に配慮した対応について丁寧に説明し了解が得られたことで、早期解決に繋がった。
 さらに県では、インターネット上での差別的書込みについて、随時検索を行っている。

※答弁後、新型コロナウイルス感染症に関わる専門の相談窓口の早期開設を求めるとともに、被害者の立場に立った対応や効果的な取り組みを要請した。

質問 「財政調整用基金残高のあり方について」

 来年度の予算編成に取り組んでいくにあたり、感染拡大を防ぐ取り組みと、経済対策をどのように位置づけるのかが重要。
 特に今年度に入りコロナ禍と豪雨災害により、貯金にあたる財政調整用基金も350億円の内すでに101億円を取り崩しており、来年度に向けての財源確保が心配。
 東京都では、昨年度末残高の9344億円のうち今年度当初・補正予算で91・2%にあたる8521億円を取り崩したと報道されている。石川県・山口県・茨城県なども80%以上を取り崩している。この数字からすると大分県はまだ辛抱しながらやりくりしていると考えている。
 これまで、県は財政調整用基金の目安を標準財政規模の10分の1にあたる330億円としてきたが、これからの基金残高の考え方を尋ねる。

答弁 本県における過去の基金活用状況をみると、2004年度の三位一体改革の際に単年度で150億円程度を、近年の災害の際に最大で25億円程度を取り崩して対応しており、標準財政規模の10%程度の基金残高を確保しておけばよいのではないかと考えている。いずれにしても、安定的な財政運営が行えるよう、今後とも基金残高の確保に努めていきたい。  (つづく)

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