日出町の若宮八幡神社(小石護久宮司)は、令和御大典並びに同社創建1060年記念事業の第1期改修工事が終了した。
同神社は、天徳3(959)年に八津島宮より2神を勧請して建立された。建久7(1196)年には、豊後大友氏の始祖・大友能直(よしなお)が、豊後国7社の1社として崇敬し、新たに社殿を築造し社領を寄進している。その後、キリシタン代官により不遇の時代を経て、日出藩初代藩主・木下延俊が入国すると、慶長7(1602)年に破壊された神社を再建し、御神体を迎えて盛大な例祭を行い、復興を遂げ、神社はその後も代々藩主の崇敬を受けた。神殿、鳥居、石灯籠、神楽殿、桜門、絵馬殿など多くの寄進・修復が行われている。三代藩主・木下俊長によって建立寄進された桜門は日出町の有形文化財に指定されている。
創建1060年に向けて、5年前から寄付を募り、約1180人から1千万円を超える寄付が集まった。参道の石畳を改修し、手水舎前に身体障がい者用の駐車スペースを設け「大分あったか・はーと駐車場」に登録。また、これまで参道は階段しかなかったため、スロープと手すりを設置して、高齢者や車いすでも参拝しやすいようにした。手水舎は現在、新型コロナの感染予防のため柄杓を撤去していて、出水部分に龍の口を寄進してもらった。本殿前にもスロープが設置されており、それも寄進を受けたもの。さらに神社前の駐車場もキレイにした。
小石宮司は「タクシーで下まできて、運転手に手伝ってもらいながら上がってくるお年寄りの姿を見て、スロープをつけたいとずっと思っていました。平成27年に総代会に提案をして、みなさんのおかげで利用しやすくなった。もっと多くの人に訪れ、参拝をしてもらえればと思います」と話した。お披露目された1日には、河村公司総代会長も訪れ、完成を喜んでいた。
今後、第2期工事として、記念碑の建立なども予定している。
さらに、14、15日に開催を予定していた例大祭は、今年は創建1060年を記念して盛大に行う予定だったが、新型コロナの感染予防のため、祭典奉仕者及び参拝者の安全確保のため、関係者による神事のみとなる。