別府市教育委員会は27日午後1時半から、令和2年度地産地消コーディネーター派遣事業を活用した研修会の1回目を市役所で開いた。小・中学校の栄養士ら約20人が参加した。
市教委は、令和5年に開設を目指す新学校共同調理場の準備を進めている。地産地消を推進するため、研修会を行った。現在、学校給食のお米は100%別府市産だが、野菜などについては低く、令和元年度の活用率は2・4%にとどまっている。しかし、県産品の活用では全国平均を上回っており、単独調理場、共同調理場ともに農林水産省が目標としている30%を上回っている。別府市内には、別府市の農家が開発した「べっぴんねぎ」や東山の気温の低さを活用してほぼ年間栽培が行われているホウレンソウなどがあり、少しでも市産品を取り入れていくことを目指している。
地産地消コーディネーターは、農水省の国産農産物消費拡大対策事業の一環として行われているもので学校等施設給食に地場産物を安定的に供給する体制整備などを支援することを目的としている。10月から2月の間に3回程度、専門家を派遣してアドバイスを受ける。
一般社団法人都市農山漁村交流活性化機構「まちむら交流きこう」から事業内容について説明を受けたあと、講師の金田雅代女子栄養大学名誉教授と中島和代鹿児島純心女子大学講師から話があった。金田教授は「地場産品は、量がそろわない、種類が少ないということが大前提になっているのではないかと思う。生産者とお互いを理解するための意見交換が必要。限られた時間の中で調理をしていることを知ってもらい、栽培しているところをみて生産者が農業と向き合う姿勢を学ぶこと。作物が同じ大きさでなければ、作業がしにくいと拒否をしていたら、地産地消は進まない。作物が全部同じサイズになるわけがない。少量でもまずは導入してみることが大切」などと話した。
学校栄養士も地場産品の活用については前向きで、別府産の野菜などを使ったオリジナルレシピを考案するなど取り組んでいるが、伸びていない。教育委員会は、今年度、モデル校を指定して、学校給食週間(1月25~29日)に取り組みを行う予定にしている。