自衛隊西部方面隊が「鎮西演習」

演習場を島に見立て、的の様子を警戒する隊員

 自衛隊西部方面隊を主体とした「鎮西演習」が10月16日から11月5日まで、区域内の各駐屯地(基地)や演習場などで行われ、4、5日に大分県の日出生台演習場での訓練の様子を報道陣に公開した。
 九州地域の安全を確保するための訓練で、方面隊による、島嶼(とうしょ)侵攻が起きた場合の対処能力向上を図るのが目的。平成22年度から実施されており、今回で11回目。
 西部方面隊を主体として、陸上総隊、北部方面隊、東北方面隊、中部方面隊、各学校、海上、航空自衛隊、在日米軍など約1万6千人、車両約3千両、航空機約50機が参加する西部方面で最大規模の訓練。民間空港や米軍施設を含む方面区域全域に部隊が展開して行われた。
 公開されたのは、2018年から離島防衛に迅速に対応する機動師団となった第8師団(司令部・北熊本)が中心となって日出生台で展開した訓練。約4500人、車両約1400台、航空機約10機が参加。主な作戦として島嶼防衛と基地等の警備を行った。
 演習場を1つの島と見立てて、海岸から侵攻してきた敵の歩兵などを火力や障害によって阻止し、戦車部隊等によって撃破する。ソイルアーマー(箱型土のう)によって作った、155mmりゅう弾砲を隠す構造物や師団司令部も公開。
 敵は水陸両用車を使って侵入してきたことを想定。迎撃対処行動に移り、11式短距離地対空誘導弾は、レーダーによる敵の検索により、発射装置から誘導弾を発射するだけではなく、人が目視で敵のヘリを発見した場合には、発射装置から直接発射できることなどが説明された。また、10式戦車が隊列を組んで迎撃に向かう様子なども見られた。
 今回は、新型コロナウイルス感染症対策として、隊員の健康状態を把握するとともに、会議における3密を防ぐため、リモート会議を開いたりマスク等を着用して作戦展開した。

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