令和2年度別府市技能者表彰式が9日午後2時、別府市役所で行われた。優れた技能者を表彰するもので、技能功労賞8人、優秀技能賞2人を表彰した。
長野恭紘別府市長が1人ひとりに表彰状を手渡して、「皆さんを表彰できることは、喜びにたえないこと。優れた技能者を表彰することにより、広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、技能者の地位向上及び、産業の発展に寄与することを目的にしています。1人ひとりが培った技能と技術が産業振興の原動力。新型コロナの影響で日本経済は不安定な状況にあります。このような時こそ、市民生活の健全な発展のため、皆さんの技能は欠かせない。貴重な資源を継承していくことが大切。自己研さんに励み、後進の育成、産業の発展に寄与してほしい」と式辞。
来賓の松川章三市議会議長が「それぞれの分野で産業の発展、振興に多大なる貢献をされた。技術の向上、後継者の育成へのご労苦に感謝と敬意を申し上げます。本市の発展には、産業の発展は重要。豊富な知識と経験いかし、より一層のご尽力をお願いします」。倉原浩志別府商工会議所専務理事(会頭代理)も「若者の技術離れなどで、産業の発展を支えてきたものづくりの技能の継承が懸念されている。活力あるものにするには、優秀な人材の育成が必要。人づくりの先導役としてさらなるご尽力を」とそれぞれ祝辞を述べた。
受賞者を代表して、技能功労賞の茂田幸一さん(79)が「本日の受賞に当たり、皆さんから身に余るお祝いとお褒めの御言葉をいただき、一同、感激しています。それぞれの分野で機能を磨き、微力ながら市の産業発展に尽力してきました。受賞を励みに、さらなる技能の向上、産業の発展、後進への技能の継承に努めていきたいと決意を新たにしました」とお礼を述べた。受賞者は次のとおり(敬称略)。
【技能功労賞】▽茂田幸一(電気工事作業者)=56年間、電気工事業に従事し、優秀な技術者として他の模範となるとともに、後進の育成にも力を入れている▽敷嶋正敏(クリーニング工)=卓越した技術で、長年にわたり地域密着型のクリーニング店を営業。第31回全日本クリーニング研究大会の平成5年度全国ワイシャツ仕上げ競技大会で準優勝するなどしている▽佐藤三嗣(電気工事作業者)=昭和48年から長年にわたり従事し、技能の練磨に励み、電気工事に重用な工事士免状を2種取得するなどしている▽小倉範夫(美容師)=卓越した技術とコミュニケーション力で地域密着型の美容室を経営。美容組合別府支部の会計を長年務めると共に、研修会や講習会に積極的に参加し、特に若手の模範となっている
▽矢野貴之(鉄筋工)=長年にわたり、技術の向上に努め、若い頃から職長に抜擢され、真摯な姿勢で仕事に臨み、確実な仕事ぶりは取引先からも評判が良い。若手の資格取得指導役にも取り組んでいる▽恒松智美(フラワー装飾師)=1級フラワー装飾技能士など数多くの資格を有し、第6回フラワー装飾デザインコンテストでは県知事賞を受賞するなど活躍している▽原和範(型枠工)=長年にわたり、技能の練磨に励み、1級型枠技能士をはじめ、各種免許資格を積極的に取得。温厚な人柄で、同僚や後輩にも慕われている▽小林誠(中華料理調理人)=16年間、福岡県内のホテルに勤務して、平成23年から日出町内のホテルで勤務。公益社団法人日本中国料理協会から中華料理業界の発展に寄与したとして、功績賞を授与されるなど評価されている
【優秀技能賞】▽遠嶋勇也(美容師)=県美容師組合別府市部の役員を積極的に務め、明るく真面目な性格で美容師仲間にも信頼が厚い▽鶴地陽子(西洋料理調理人)=研さんを積み、コンテスト等で優秀な成績を収めている。全日本司厨士協会大分県本部女性部会部長として活動。小学生などにも積極的に指導する活動もしている