日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査 中小企業編」の結果をこのほど、発表した従業員20人以上の企業126社に対して行い、64社(回答率50・8%)が回答した。
今期(7~9月)の大分県内の業況判断DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)実績は、製造業は前期(2020年4~6月)より25・9ポイント低下しマイナス66・7となった。非製造業は前期より20・4ポイント増加しマイナス35・0。全産業としては、前期より3・1ポイント増のマイナス46・9となった。来期(10~12月)の業況判断DI見通しは、製造業、非製造業ともにマイナス見通しの影響から、全産業でも引き続きマイナス見通し。しかし、今期に比べてマイナス幅は若干小さくなる見通し。来々期(2021年1~3月)の業況判断DI見通しは、全産業で引き続きマイナス見通しとなった。
▽売上DIは、前期から8・5ポイント上昇し、マイナス42・8ポイント。来期はマイナス36・0ポイントに上昇し、来々期はマイナス35・9ポイントになる見通し。
▽純利益DIは、前期から12・3ポイント上昇し、マイナス24・2となった。来期はマイナス23・0に上昇し、来々期はマイナス36・0となる見通し。
▽価格関連DIだが、販売価格DIは前期から2・8ポイント上昇し、マイナス9・9。仕入価格DIは前期から5・6ポイント上昇し、7・9となった。来期は、販売価格DIは低下し、仕入価格DIは上昇する見通し。
▽金融関連DIでは、資金繰りDIは前期から10・8ポイント上昇し、ゼロとなった。長期借入難易DIは前期から2・6ポイント低下し18・3ポイント。短期借入難易DIは前期から0・8ポイント上昇し、23・7となった。
▽従業員DIは、前期から10・6ポイント低下し、1・6ポイントとなった。来期は横ばいの見通し。
経営上の問題点は、「売上・受注の停滞、減少」が56・9%と最も多く、次いで「求人難」が23・5%、「人件費や支払利息等の増加」が3・9%となっている。
同公庫大分支店によると、県内中小企業の景況は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて厳しい状況が続いているが、一部に持ち直しの動きがあるという。