日出町教育委員会は、古銭の鋳造体験として「私だけの『寛永通宝』をつくる」を14日の午前と午後の2回、日出藩校致道館で行った。
寛永通宝は、江戸時代の銭貨。寛永13(1636)年に鋳造が始まり、幕末まで流通していた。当時は銅などの金属を型に流し込む方法で造られていた。各地に銭座という鋳造する場所が設けられ、県内にもあった。広く庶民にも流通していたことから、今までも古い家から出てきたり、発掘調査でも出てくることがあるという。
町教委文化・スポーツ振興課の池田詩苑さんが通貨の歴史などについても説明。まずは鋳型作りから。お金となる部分はすでに彫られているが、鋳造するために型に流し込むための湯道(ゆどう)を彫刻刀を使って彫る本格的なもの。ここがしっかり出来ていないと、ちゃんと出来ない。湯道や空気道を彫ったら、「寛永通宝」の裏面には自分の名前や好きな模様を入れてもらった。文字は鏡文字にしなければならない。
2つの型を合わせるが、既製品ではないため、参加者は、きっちり合わせるのに苦労をしていた。鋳型が完成すると庭で高温に温めて溶かした金属を鋳型に慎重に流し込んで、型から外すと、キレイな「寛永通宝」が出来上がった。
型から外してやすりをかけて完成。参加者は「最初は(湯道を)彫るところから始めると言われ、無理だと思ったけど、楽しかった」「良い思い出になった」とうれしそうだった。
体験会は18日の午前9時半と午後1時半の2回行う。定員は各回5人で、参加費は500円。問い合わせは文化・スポーツ振興課(電話73・3222)へ。