変わりゆく姿、成長への歩み

 久しぶりに顔なじみの少女を見かけた。私が顔なじみと思っている女子中学生。
 出会いは12~3年前になると思う。まだ幼稚園入園前の女の子がお母さんに手を引かれ、中須賀の旧国道沿いをほぼ毎日亀川方面に向って歩いていた。出勤途中にすれ違うだけの間柄だが、1年経ち、5年が経ち……私の中では遠い親類を見るような気分になっていた。
 お母さんの手から離れ横並びに歩く姿、お母さんの少し前を一人で歩いて行く姿を見るのが私の日課に。手を引かれてた女の子がひとりで登校するようになり、日々成長していく姿を一瞬だけ共有していると思う事で、パワーをもらえていたような気がしていた。
 見かける事が無くなってからどれくらいが経ったのか、久しぶりに見る少女は少しだけ難しい顔をして歩いていた。中学生にもなるといろんな問題にぶつかるからなぁ…と思いながらすれ違った。何かが引っかかる。何だろうと思いながら家に帰りついて、いつも笑顔でお母さんと会話しながら歩いていた姿を思い起こした。  (加藤)

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