陸上自衛隊第41普通科連隊(中村英昭連隊長)は11月30日午前9時半、令和2年度レンジャー養成訓練帰還式を別府駐屯地で行った。今回は第41普通科連隊、第4偵察戦闘大隊(福岡駐屯地)、幹部候補生学校指導隊(前川原駐屯地)、西部方面特科隊(湯布院駐屯地)から19人が参加し、10人がすべての訓練を終え、レンジャーバッヂを授与された。訓練期間は9月1日から12月4日までの75日間。
レンジャー養成訓練は、昭和31(1956)年に富士学校で行われたのが初めてで、各部隊で集合訓練が行われるようになった。第41普通科連隊では、昭和38(1963)年から実施している。
困難な状況を克服して任務を完遂する能力や精神力を養うもので、自衛隊の訓練の中でも、最も過酷な訓練。訓練を終えると、レンジャー徽章が与えられるが、徽章は賢固な意志を表すダイヤモンドを勝利の象徴である月桂樹が囲うデザインになっている。
訓練のクライマックス最終想定は、久住連山及び由布岳周辺から十文字原一帯で、食事や水の制限を受けながら、不眠不休で約50㌔74時間の行動訓練。訓練を終え、駐屯地に帰還した。レンジャー学生長の中山大地3等陸曹(24)を先頭に、隊員は最後の気力を振り絞って、重い荷物を背負い、小銃などを持って堂々と帰還。
グラウンドでは、各中隊が整列をして仲間を迎えた。中村3曹が「すべての任務を完遂し、帰還しました」と報告。
中村連隊長が1人ひとりにレンジャー徽章をかけて「色々と苦しいこともあったと思う。目の前にあるレンジャー徽章をもう一度見てほしい。これのために頑張ってきたと思う。みんなの頑張りに敬意を表する。最初に、真に強いレンジャーたれと要望した。歯を食いしばって、無事、全ての訓練を終了したと認める。自信を持ってこれからの勤務にまい進してもらいたい。訓練を終え、感謝の気持ちを忘れないでほしい。教官や助教、背中を押してくれた原隊や家族。みんなが見ていないところでいろんな人が動いて、多くの人が君たちを育てるために活動していることを忘れないでほしい」と訓示した。
帰還式終了後、隊員は家族と団らんをして訓練を乗り越えたことを喜び合った。